0人が本棚に入れています
本棚に追加
杖の扱い、問題なし。すぐに実践で効果を出せそう。疲れたらついて歩けるから、体力が減った私には最適だわ♪
「ここに いたのか。」
「あ、シアン。杖も便利だよ、火を起こせるし。――って、何かあった?」
「うん。杖は軽いし、服も動き易そうだな。
ちょこっと、ガランスが呼んでるから行こう。」
なんだろう?
次の目的地への進路確認?私絡みの緊急会議?不安だ……え?「喫茶店?」
「そう。杖の練習もしてたし、小腹が空いたんじゃない?」
「うん。…あ!」
ガランスの向かいにクラレットがいる。
「クラレット、こんにちは。」
「…………誰?」
「え…あ、私、」
「ごめん、迷惑だから。」
「だ、…大丈夫か?」
思わず店を飛び出してしゃがみ込んだ私の、耳元に聞こえる この声は…シアン。
「ショック過ぎて、店 出て来ちゃった。」
クラレットのあんな冷たい目、初めて見た。声も…怖かった。
「お前は知らないだろうけど、クラレットって、本命以外には いつも冷たいから。」
「本命?」
「うん。他の女と一緒にいるとこ、見たことないよ。
こんなことになるなら…、お前の望み、先に聞いておくんだったな。」
うう…
「泣くな。…いや、我慢できなかったら泣け。」
「優じい゛…ぅぅ。」
「すげぇな、泣いても顔 崩れないんだな…。うわっ、その顔で鼻水 垂らすなや!なんか許せん。」
「だって、中身は私だし。なんか、もう…マジ卍ぃ…。」
「?…マジでワケワカメ。」
「俺からクラレットに話して来ようか?」
そうか、私に気づかなかっただけだから…いや、顔が変わったことで嫌悪されたら…やっぱ 無理。
「いらない。もう、この顔面を生かして富豪の嫁になって遊んで暮らす。」
「それも いいかもな。クラレットのことはどうする?まだ告白してないけど。」
そうだね、でも 告白なんて無理。
でも、クラレットを忘れて遊んで暮らすのも きっと無理。
……はぁ…………むぅ……決めた!
「シアン、私 もう1回 神殿に行く。
神殿で、元の姿に戻してもらう。」
「・・・はぁ!?…そうだな。その顔は整い過ぎて 気持ち悪い。人間じゃないものが傍で動いてるみたいで。」
…ふうん。
最初のコメントを投稿しよう!