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まぁ…紆余曲折?あり、再び神殿へ。
ガランスにも話したら、即答で その方が良いと言われた。
―――ということで。帰路でボロクソになった平原や山脈を、今度は かすり傷だけで越えてみせる。
問題は そう、モンスターじゃないよね。私の体力と運動能力だわ。あれで帰って来られたんだから。行ける!
「シアン、ガランス、また面倒かけるけど…改めて よろしく。」
「神殿の飯と大浴場は最高だったな。お前のお蔭で また行けるのが楽しみだ。
それに俺達は強い。2人の旅に オマケがくっついてるだけだから 気にするな。なぁ、ガランス。」
「ああ。こちらこそ、よろしく。」
平原を越えた宿には、ちょっと ヘトヘトになって着いて。神殿の山も 膝が笑いそうになったけど 登りきれた。
案内人の中の1人が前に出たから、望みを伝えると 怪訝な顔をされた。
「それは つまり、望みを叶えたのに無かったことにしたい、と…。」
「はい。前回は、あの方が案内してくれました。」
「少々お待ちください。」
案内人のみんな 頭を寄せ合って、緊急会議だね。数分も待たずに答えは出たみたい。今度は あの時の少年が前に出て「おかえりなさい。」と、笑顔で言うから 思わず笑いそうになった。
こんな辺境の、しかも神殿が「ただいま。」を言える場所になるなんて。
望みを叶える人も 前回と同じ方が良いだろうと 会議の結論で そうなったそうで、あの時の部屋へと案内された。
今回も女性の神官が、温かい空気を醸し出して迎えてくれた。ちょっと安心感。
「事情は聞きました。しかし…」
え!しかしって、何?まさか…不可能だって断られる!?
後ろ向きな妄想が 頭の中を駆け巡る。
「しかし…、一般的には その最弱なステータスでは、相当な大金を積まないと 辿り着けない場所なのですよ。大金で強い人を雇って来るんです。無銭で辿り着くなんて、あなたは運が強いのでしょうね。」
そうかな…「仲間に恵まれています。」
「あなたは ここに来なくても、既に幸せを得ていそうですが…。これからも、努力をして 幸せを掴んで行くのでしょうね。
次に来る時は、望みはなくとも 遊びにいらしてください。弟がとても楽しそうなのです。案内人のね。」
――あの少年?姉弟なんだ。…ハッ、まじまじと顔を見てしまった。
「ごめんなさい、見過ぎちゃって。
是非、また来ます。」
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