顔しか勝たん☆

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クラレットには、ガランスから 私のことを説明(せつめい)していたそうで。クラレットは 長い間 困惑(こんわく)してたらしい。 もう一度 神殿に行ったことも知っていて、私が(もど)るまで 街に滞在(たいざい)してるということで…あ〜緊張(きんちょう)する、足取(あしど)りが(おも)くなって行く。 とりあえず 宿に入って、一晩 寝てから、頭の中と気持ちを整理(せいり)しよう。 ―――って 思ったのに。 クラレットが部屋を(たず)ねてきた。 まだ 気持ちの整理できてないんだけど…どうしよう、今日は(つか)れてるから寝るって断ろうかな…。 ガチャ 「お前、いるんじゃん。」 「!ちょっ、シアン!…着替え中だったら どうするのよ!」 「…俺のを見せてやる。」 「いらんわー!」 「元気だな。んじゃ、邪魔者(じゃまもの)はお(いとま)〜♪」 「えっ、ええ!」 ……仕方ない。クラレットを(むか)()れるしかないじゃない。 「歩き疲れてるだろうに、ごめんね。 この間は、気付かなくて…嫌な思いさせて ごめんね。」 首を横に振りながら 静かに話を聞いていよう。 「それで、その…うん……えっと…… これ、受け取ってもらえたら嬉しいんだけど…。」 …え、これって。 「…ありがとう。」 「実は、昨年 実家に帰った時に アシエのことを話していて。(よめ)をもらわずに放蕩(ほうとう)されるより ずっと良い、早く身を固めろ、って 言われてたんだ。」 「そうだったんだ…。私の両親(りょうしん)なら (よろこ)一択(いったく)だわ。 指輪(ゆびわ)なんて もらうの初めて。きれい…ピッタリ…。 ねぇ、なんでピッタリなの?」 「…相思相愛(そうしそうあい)なら ピッタリのを(えら)べるんだ。」 そうだったんだ。 おやすみの挨拶(あいさつ)をして ベッドに入っても、興奮(こうふん)して寝付(ねつ)けないかと思ったのに。すっごい熟睡(じゅくすい)した。最高の目覚めだわ。 「シアン、おはよう♪見て!ピッタリ!」 「ピッタリ?…そうだね。おはよう、良かったな。」 「うん。 あ、ガランスー、おはよう♪ 見て、見て!ピッタリ!」 「おはよう。指輪は ピッタリでも油断(ゆだん)しないほうがいい。戦闘(せんとう)()けることがあるから、ウィッシュのポーズを決めたくなるような皮手袋(かわてぶくろ)をすると良い。」 「なるほど。お店が開いたら さっそく買うね、ありがとう。」 ーーーーー2ヶ月後 純白(じゅんぱく)のドレスを(まと)うには、ちょっと日焼(ひや)けしすぎちゃったな。まぁ…これが私か。 あまり美人しゃないけど、上等(じょうとう)だわ♪ クラレットが 愛する人も、愛されること望む人も、私なんだから。 私の人生の旅は まだまだ続くけど、このお話は ここまで。 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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