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クラレットには、ガランスから 私のことを説明していたそうで。クラレットは 長い間 困惑してたらしい。
もう一度 神殿に行ったことも知っていて、私が戻るまで 街に滞在してるということで…あ〜緊張する、足取りが重くなって行く。
とりあえず 宿に入って、一晩 寝てから、頭の中と気持ちを整理しよう。
―――って 思ったのに。
クラレットが部屋を訪ねてきた。
まだ 気持ちの整理できてないんだけど…どうしよう、今日は疲れてるから寝るって断ろうかな…。
ガチャ
「お前、いるんじゃん。」
「!ちょっ、シアン!…着替え中だったら どうするのよ!」
「…俺のを見せてやる。」
「いらんわー!」
「元気だな。んじゃ、邪魔者はお暇〜♪」
「えっ、ええ!」
……仕方ない。クラレットを迎え入れるしかないじゃない。
「歩き疲れてるだろうに、ごめんね。
この間は、気付かなくて…嫌な思いさせて ごめんね。」
首を横に振りながら 静かに話を聞いていよう。
「それで、その…うん……えっと……
これ、受け取ってもらえたら嬉しいんだけど…。」
…え、これって。
「…ありがとう。」
「実は、昨年 実家に帰った時に アシエのことを話していて。嫁をもらわずに放蕩されるより ずっと良い、早く身を固めろ、って 言われてたんだ。」
「そうだったんだ…。私の両親なら 喜ぶ一択だわ。
指輪なんて もらうの初めて。きれい…ピッタリ…。
ねぇ、なんでピッタリなの?」
「…相思相愛なら ピッタリのを選べるんだ。」
そうだったんだ。
おやすみの挨拶をして ベッドに入っても、興奮して寝付けないかと思ったのに。すっごい熟睡した。最高の目覚めだわ。
「シアン、おはよう♪見て!ピッタリ!」
「ピッタリ?…そうだね。おはよう、良かったな。」
「うん。
あ、ガランスー、おはよう♪
見て、見て!ピッタリ!」
「おはよう。指輪は ピッタリでも油断しないほうがいい。戦闘で抜けることがあるから、ウィッシュのポーズを決めたくなるような皮手袋をすると良い。」
「なるほど。お店が開いたら さっそく買うね、ありがとう。」
ーーーーー2ヶ月後
純白のドレスを纏うには、ちょっと日焼けしすぎちゃったな。まぁ…これが私か。
あまり美人しゃないけど、上等だわ♪
クラレットが 愛する人も、愛されること望む人も、私なんだから。
私の人生の旅は まだまだ続くけど、このお話は ここまで。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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