顔しか勝たん☆

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神殿は…、圧巻(あっかん)というか、荘厳(そうげん)というか。 全てを石で(つく)られている。 上の方と屋根は白で、下が黒の、御影(みかげ)(うつ)る程に(つや)やかな石で建てられている。太陽の加減(かげん)では(すさ)まじい目眩(めくら)ましになりそうだわ。 神殿の正面には 左右に石柱(せきちゅう)が並んでいて、その間を進んだ先に、白い布を(まと)った人がまばらに立っている。布には黒と緑の模様(もよう)豪華(ごうか)(ふち)取りが入ってる。あれが神殿の人で、きっと案内人(あんないにん)だと思う。 シアンとガランスも無言(むごん)で進んで行く。 案内人がいる場所より手前で、シアンが立ち止まって私を見た。 「なぁ、(のぞ)みは決めてるのか?」 「私は決まってる。このために来たんだから。」 「そうか。ガランスは?」 「………無い。」 ――え!? 「(うそ)だろ!?折角(せっかく)だから、何か考えろよ。」 「無いもんは無い。…そう言うシアンは決まってるのか?」 「うーん、どっちをお願いするか迷ってる。」 「ねぇねぇ、私は決まってるから、先に行ってみてもいい?」 2人が(うなず)いたから、案内人の目の前に急いだ。 一番近くに立つ人が、一歩前に出て、話し始めた。 「ようこそ、(ことわり)の神殿へ。」 「あ、…こんにちは。」 「良く、ここまで辿り着けましたね。ここは、運も強さも()(そな)えた者でなければ、容易(ようい)に辿り着けない場所なのですよ。」 「ん?あなただって、ここにいるじゃない。強いんですか?運だけめちゃくちゃ強いとか?」 「クスッ」 あ、笑ったらあどけない。声も見た目も中性的(ちゅうせいてき)で、でも背は高いから男性かと想像(そうぞう)したり…少年なのかな? 「強い護衛(ごえい)と来ましたから。」 「あ、そっかぁ。」 「運がめちゃくちゃ強かったら、1人でも 此処(ここ)から出ることができるかも知れませんね。」 その言い方は…なんだか、神殿から出たいのに出られないと言ってるような…。表情も一瞬 (さび)しそうに見えたけど、深く考えないでおこう。少年のホームシックってことで…あ! 「そうだっ。お願い事。」 「(かしこ)まりました。ご案内いたします。」 ワクワクするー!神殿の奥ってどんな風になってるんだろう。あ、シアンとガランス… シアンは、別の案内人と話してる。 ガランスは… 「先に休憩所(きゅうけいじょ)に行ってる。」 休憩所かぁ…「わかった。」と私が手を振ったらガランスも振り返して、案内人と左の奥へ入って行った。
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