0人が本棚に入れています
本棚に追加
前回までの雑なあらすじ
塾帰りのJK渡辺は、ロリ探偵(20↑)澤乃井が殺人を犯している現場を目撃してしまう。
半ば脅される形で渡辺は澤乃井の助手になることを承諾してしまう。
二人は死体を遺棄したのちホテルに泊まることにするが血まみれすぎるため、海で血を洗い流している←イマココ
登場人物
・渡辺(17歳)
北高校に通う女子高校生。美人。殺人現場を目撃してしまった可哀想な女の子。
澤乃井の助手。
・澤乃井(24歳)
探偵をしている。犯罪者には裁き(死)を。
身長は低く童顔で貧乳。しかし頭は良いようだ。
渡辺の顔を気にいったという理由のみで渡辺を自身の助手にした。
________________________________________
「夜の海は、母の胎内を思い出す。」
「胎内記憶あるんですか?」
「ないけど、なんとなくかえりたくなるから。」
「海に?お母さんのお腹の中に?」
「どっちだろうな、」
手についた血を洗い流す。淡々と、慎重に。
自分のしてしまったことの重大さが現実味を帯びて迫ってくる。でも、この状況は非現実的で、なんだか不思議な感覚だ。水面がチラチラと光っている。こんなに明るくては、誰かに見つかってしまうのではないかと心配になる。
「見つかりませんか、これ」
「大丈夫だよ。見られていても君と私の見た目だ、若者が夜の海で遊んでふざけているとしか思われないだろう。」
言われて見ればそんな気もするな、と思い私は安心して手を洗い続けた。
「まあ、これだけ流せば十分だろ。」
「……。」
「……。」
ばしゃ!と澤乃井さんが水をかけてきた。
「何するんですか!」
「……下着を透けさせるんだよ!」
「は??????変態!!!!!!」
「……でっっっっっk」
「黙ってくださいもう大人の癖になんなんですか!」
「……冗談だよ、君があまりにもしみったれたツラしてるから。」
「その割にはガン見してますけどね。」
「いや、元気づけたかったのもほんとなんだ!」
子供なんだか大人なんだか分からない人だ。本当に。
「よし!じゃあ行こう!」
「びちょびちょのまま車乗って良いんですか……?」
「あ……じゃあ、脱げ!」
「やめてください!触らないで!」
「え?ああ、ごめん、そうだよな、ほぼ初対面の知らん大人だもんな」
「や、……そういうことじゃないんです、本当に、ごめんなさい」
「……まあいいよ、レインコートでも敷いて乗ろう。ホテルはすぐそこだし。」
ホテルまでのドライブは、無言だった。エンジンの音がよく聞こえた。澤乃井さんは何かを考えているようだった。
「着いたぞ。」
「ありがとうございます。」
「部屋、空いてるといいな。」
「……。」
「空いてましたか?」
「一部屋しか空いてないって。私と同じ部屋でもいいか……?」
「……。」
「嫌なら全然、他のところ探そう。」
「いいですよ、」
きっと、殺されはしないはず。悪い人じゃないはず。人を殺している時点で良い人ではないかもしれないけど、時折寂しそうな顔を見せる澤乃井さんが根っからの悪人には到底見えない。
「分かった。」
窓の外に見える海は、さっきと同じように、光っている。
「シャワー先浴びていいよ」
自己中そうな澤乃井さんがシャワーを譲ってくれたことに驚きを隠せない。
「あ、じゃあ、お言葉に甘えて先に」
「ん」
澤乃井さんは窓の外を眺めていた。
ベタつく海水を洗いながせて気持ちが良い。なんだか今日は忙しく不思議な日だった。数時間前には塾にいたのが信じられない。でも、これが今後も続くのは心臓が
持たないかもしれない。まあいいや、今日はとりあえず。
考えるのをやめて、シャワーカーテンを開けた。着替えようとした時私は気づいてしまった。
……替えの下着がない。さっきまで着ていたのはもう塩水でびしょびしょだ。仕方ないので、とりあえずバスローブを着て風呂場から出て行く。
「お、お待たせしましたぁ」
「きみ。」
「……はい、なんでしょうか」
「ノーパン?」
「ブッ」吹き出してしまった。
「替えの下着なんて持ってないだろ?しかも15分も風呂に入るような綺麗好きが海水漬けの下着をつけるわけがない」
「……。」恥ずかしい。生まれてこの方こんなことしたことがないのに。
「ふっ、誘ってるのかい?こっちにおいでよベイベー」
「気色悪い○輪クンみたいなこと言わないでください!私もう寝ますから!!!!!」
「じょーだんじゃないか!!!」
「顔が好きとか言ってきたやつですよ?信用できませんね!おやすみなさい!」
「おやすみィ!」
やっぱりガン見された。冗談なのかなんなのか分からない。私は布団にくるまって寝ることにした。
翌朝。
「え?」
隣のベッドには裸の澤乃井さんが座っている。
「私に何かしました……?昨晩、何かありました……?」
「あぁ、とっても(寝顔が)可愛かったよ」
「え????」
「嘘嘘、そんな都合よく記憶飛ばないよ。私が裸族なだけだ。」
本当か?
「何もしてない証拠に動画とってるから見せようか?」
「動画撮ってる方がキモいんですけど」
「ほら」
動画の中の私は、寝言でひたすら謝り続けていた。
「なんで?」
次回:恐怖!遅刻!恐怖!学校まで凸ってくる澤乃井!!
最初のコメントを投稿しよう!