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メールを書いてしばらくすると、返事が来た。チケットが売り切れていてとても助かった。ありがたくそうさせてもらうと書いてあった。そして、神楽との再会を楽しみにしていると……。
そのメールを見た黎は正直驚いていた。
まさか、大学の時のあの神楽が百合のマネージャーだったとは、運命のいたずらとしか思えない。
実は調べたら明後日のチケットが売り切れで取れなかった。どうやって彼女へ会ったらいいか頭を悩ませていたところへ救いの神が現れた。
そんなことより、彼女にもう一度会える。そして彼女の演奏を聞くことができる。
それだけで黎はわくわくドキドキしている自分にようやく気付いて、これからどうやって彼女と友人になろうかと作戦を練りはじめた。
そう、友人。大好きな音楽の友人だ。神楽を通して紹介してもらうのがいいかもしれない。
黎は非常にモテたが、自分から好きになる女性はなかなかいない。
姉が二人いて、年が離れていたせいか、母親が三人いるような家だった。
常に、見張られている感があり、女性に対して夢が持てなかったのもある。
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