友人として

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 神楽は久しぶりに会った堂本黎の男っぷりに当てられてどっと疲れた。  百合が心配でならなかった。  いくらウブだとはいえ、こんな黎を意識せずに彼女がいられるのか。    百合には今までは男の影がまるでなかった。  マネージャーとしてはプライベートもある程度は把握管理が必要だ。    ドアをにらむように見つめる神楽だった。  「栗原さん。今日はチケットありがとう。とても素晴らしい演奏でした」  振り向くと、仕立てのいいスーツを着こなした黎が立っている。  大きな花を手渡された。珍しい花束。  白の花がほとんどで、黄色の花が間を埋めている。  百合はじっと花を見つめた。  見ていると不思議な気持ちになった。  ニュートラルに戻れる感じというか、白がそういう気持ちをリセットする作用があるのかもしれないが、黄色がそれを元気づけてくれる。  「ありがとうございます。素敵な色合い。はじめて頂きましたが、とても気に入りました」  「そう。それなら良かった。僕の君へのイメージと応援を込めて選んでみた」
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