友人として

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 「とにかく、教えてくれる?日本でも君が暇なとき一緒にお茶を飲みたいんだ」  お茶を飲むの?百合は不思議な友達だと思ったが、とりあえず恩もあるし、神楽の友人だし、大丈夫だろうと携帯の番号やアドレス、アプリを交換した。  黎は満足した。これでいい。やっとスタートに立てた。想像以上に大変だったが……。  「ありがとう。また、必ず連絡するよ。このもらった紅茶がなくなる前にね」  「え?」  黎が手を差し出した。友人の握手?  百合は手を差し出すと、彼が近寄って来てその手をつかむようにして握手した。  大きな手に百合の手が包まれた。暖かい。気持ちが流れ込んでくるようだった。  百合がぼうっとしていたら、急に手が離れた。    「栗原さん、次会うときまで元気でね」    「はい。堂本さんもお元気で」  百合がそう言うと、彼は背中を向けて出て行った。  緊張感がほぐれて、ため息が出た。  「神楽ありがとう」  黎が出てきた。壁に背中をつけて漏れ聞こえる声を聞いていた神楽は彼に目をやる。  嬉しそうな顔だ。こんな顔大学時代も見たことがない。嫌な予感がした。
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