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黎は神楽の発言が冗談ではないと目の色を見て思った。
「そうか。結構考えているんだな。まだ大分早いかと思っていたが……」
「いや、まだ早いよ。十年先を見て考えている。ただ、若くないと柔軟に考えられないと思うから、上層部が固い考えだと離れたくなるんだよ」
それは、よく分かる。自分も同じだからだ。黎はうなずいた。
「お前に出資出来るくらいの地位に俺がいればすぐに出してやれるだろうけど、今はまだ俺自身がそこまでではない」
神楽は不思議そうに見た。
「お前、御曹司だろ?兄弟男他に居ないし、次期社長だろ?」
黎は頭を振った。
「まだわからん。叔父もいるし、いとこもいる。そう、甘い世界でもない。俺にその覚悟は一応あるが、周りがどう思うかは別問題だ」
神楽は驚いた。そんなこともあるのかと黎をじっと見つめる。
「お互い頑張ろう。そうだ、プレゼンいつになる?コンサートの日程も考えて海外に出ないときがいいんだが……」
ふたりはスケジュールを確認して、最悪ゴールデンウィークまでになんとかしようと決めた。
ゴールデンウィークはとにかくイベントが多い。
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