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阿呆のように紫水に言われた通り走った。テロが間近に起きたのもそうだが、いつもはのんびりしてヘラヘラしてやる気のない兄の気迫に負けたんだ。
悲鳴をあげて逃げ惑う人々、倒れる看板、機械。
緊急のために作られた筈の機械は故障か青い電気を散らせたまま一切作動しない。
すれ違う消防隊に、警察、警備員。
「助けてくれ! 兄貴が! 兄貴が!」
俺はぶつかった消防隊員に叫ぶ。しかし、その声は二度目の爆破にかき消された。
騒ぎをいち早くモノにしたい幾つもの報道小型撮影機が宙を舞い、ヘリが低空飛行で飛び出した。その音で俺の声は、兄を助ける声はかき消された。
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