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「初めてあったときにわかったからだよ。飛んでいたら、切り株にぶつかった、見慣れない空色の羽の子がいるじゃない。妖精って、生まれたときから飛び方を知っているものなの。すぐに人間、しかもフェアリー・ブリッジだってわかったよ」
シャミーはなるほど、とうなずきました。だからシャミーはシャムは初めてあったとき、「赤ちゃんのほうが上手」と言ったのです。
「じゃあ、キキも?」
「多分ね。森を案内してたとき、みんながチラチラ見てたでしょう? だから、きっと森中の妖精が知っているわ」
「え〜」
シャミーは緊張が解けて、ヘナヘナと地べたに座り込んでしまいました。
いろいろとわかったけれど、おかしなことが起きます。シャミーがフェアリー・ブリッジだということはわかったけれど、シャミーが追ってきたアロマは?
シャミーもミルクもアロマも、この森に来るのは初めてなので声を掛けたとき、あれほど軽々と動けるはずがありません。
「ねぇ、ねぇ。私が追いかけてきたアロマ、アロマじゃない気がするんだけど」
三人に伝えます。
「一緒に来たミルクもいなかったし、それにさ――」
「あの子だよ!」
シャミーの言葉をさえぎって、高いきれいな声がしました。見ると、黒い長い髪をした妖精がやってきます。後ろには、メガネをかけた妖精も。
「あぁ、探していたのよ。あたし、あなたに謝らなくちゃいけないの」
黒髪の妖精は、シャミーの手を握って言いました。すると、後ろの眼鏡の妖精が言いました。
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