3.モニカのビーズ

3/4
前へ
/18ページ
次へ
 それはシンプルなデザインで、銀色の輪が飾りのビーズをよく引き立てています。  そのビーズは、丸みを帯びたしずく型の雨粒ビーズと呼ばれるもの。水色で、太陽の光をきらきらと跳ね返しています。左右には小さな星空ビーズ。星の光を閉じこめたそれは、雨粒ビーズと相まって、ブレスレットを華やかに彩っています。 「わあ……!」  シャミーも、思わず笑みがこぼれます。 「すごくきれいだね」 「気に入ってもらえてよかった」  モニカはほっとしたように微笑みました。 「ところでくん」  シシが言います。 「シャーミじゃないわシシ。シャミーよ」  ミコがシシの言葉を訂正します。 「そう、シャミーくん。間違えてしまってすまない。……ところで、君は元の世界に戻らなくて良いのかい?」 「あ、そうだった」  話しかけられたシャミーではなく、シャムが反応します。 「シャミー、伝え忘れていて申し訳なかったのだけど、あなたはフェアリー・ブリッジでしょう?だから、来たいときにいつでも来れるの!」 「本当!?」  もう行くことができないと薄々感じていたシャミーは、予想外の言葉に目を輝かせました。 「じゃあ、行こうか」  シャムが淡い青紫の羽を広げ、飛び立ちました。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加