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それはシンプルなデザインで、銀色の輪が飾りのビーズをよく引き立てています。
そのビーズは、丸みを帯びたしずく型の雨粒ビーズと呼ばれるもの。水色で、太陽の光をきらきらと跳ね返しています。左右には小さな星空ビーズ。星の光を閉じこめたそれは、雨粒ビーズと相まって、ブレスレットを華やかに彩っています。
「わあ……!」
シャミーも、思わず笑みがこぼれます。
「すごくきれいだね」
「気に入ってもらえてよかった」
モニカはほっとしたように微笑みました。
「ところでシャーミくん」
シシが言います。
「シャーミじゃないわシシ。シャミーよ」
ミコがシシの言葉を訂正します。
「そう、シャミーくん。間違えてしまってすまない。……ところで、君は元の世界に戻らなくて良いのかい?」
「あ、そうだった」
話しかけられたシャミーではなく、シャムが反応します。
「シャミー、伝え忘れていて申し訳なかったのだけど、あなたはフェアリー・ブリッジでしょう?だから、来たいときにいつでも来れるの!」
「本当!?」
もう行くことができないと薄々感じていたシャミーは、予想外の言葉に目を輝かせました。
「じゃあ、行こうか」
シャムが淡い青紫の羽を広げ、飛び立ちました。
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