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シャミー、顔がカアッ……っと赤くなりました。
(忘れたんじゃなくて知らないのに!)
シャムは、シャミーが人間だ、ということを知らないので、笑顔で続けます。
「そっかそっか。なら教えてあげるよ」
(な、なんか勘違いされてるみたいだけど……飛び方を教えてもらえるなら、ラッキーかな)
「1。軽くジャンプをすると、体が浮きます。やってみて」
さっそく講義をはじめたシャムの言う通りにすると、体がフワリと浮きました。
「2。体を行きたい方向へ傾けると、曲がります」
行きたい方向といって真っ先に思い浮かんだのは、前です。なので、前に思いっきり体を傾けると
ビュン!
ゴツン!
ギャッ!
また、切り株にぶつかりました。
「大丈夫?」
顔をあげると、目の前に手が差し伸べられていました。見上げると、ブロンドの髪の毛をお団子にした妖精が、心配そうにシャミーを見つめています。
「だいじょうぶだよ。えっと……」
「おーい」
シャムがやってきました。
「あ、キキもいたの。シャミー、こちら、キキ。キキ、この子はシャミーだよ」
「よろしくね、シャミー」
「よ、よろしく……」
キキは、シャミーの顔をじっとみつめて、こう言いました。
「ところでシャミー。アナタ、見慣れない顔ね。どこから来たの?」
ぎくりとするシャミーに、シャムも続いて質問します。
「確かに。私も聞いていなかった」
ギクギクっ。
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