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そのあいだにも、シャムは次々と説明していきます。
「ここはハチミツ草の森。ほら、この草、ハチミツの香りがするでしょう?」
「木の枝アスレチックよ。スリリングで楽しいの」
「ここは水たまり池よ。雨が降った後しか遊べないけれど。葉っぱのボートに乗って遊ぶの」
「ここは、みんなのおうちが集まっているの。コロンとした形でかわいいでしょう?」
「ビーズ工房よ。雨のしずくや草花の色、空の模様や色を閉じ込めたビーズなの。ブレスレットにもつかうわ」
「商店街。みんな、物々交換しているの」
そして、シャムの説明が落ち着いたのは、「木の葉ハンモック」についてからでした。
ひと気のないここは、木漏れ日があたりを柔らかく照らしています。
シャムは真面目な顔になるといいました。
「ねえ、もう一度聞くわ。あなた、どこから来たの?」
まっすぐな青い瞳に見つめられ、シャミーはたじろぎながら、いいました。
「……びっくり、しない?」
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