1.妖精の森

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 そのあいだにも、シャムは次々と説明していきます。 「ここはハチミツ草の森。ほら、この草、ハチミツの香りがするでしょう?」 「木の枝アスレチックよ。スリリングで楽しいの」 「ここは水たまり池よ。雨が降った後しか遊べないけれど。葉っぱのボートに乗って遊ぶの」 「ここは、みんなのおうちが集まっているの。コロンとした形でかわいいでしょう?」 「ビーズ工房よ。雨のしずくや草花の色、空の模様や色を閉じ込めたビーズなの。ブレスレットにもつかうわ」 「商店街。みんな、物々交換しているの」  そして、シャムの説明が落ち着いたのは、「木の葉ハンモック」についてからでした。  ひと気のないここは、木漏れ日があたりを柔らかく照らしています。 シャムは真面目な顔になるといいました。 「ねえ、もう一度聞くわ。あなた、どこから来たの?」  まっすぐな青い瞳に見つめられ、シャミーはたじろぎながら、いいました。 「……びっくり、しない?」
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