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「それで、誰かのものになりたくないか。こう言ったら何だけど、僕の患者にもいるような話だ。でも、僕には君の存在が、欠かせない重みを持ってる。結婚してほしいとは言わない、週末とか家で一緒に過ごしてくれないか。そもそも、僕は君にM嬢みたいに、なって欲しいと思っていない。多香子のそのままが必要なんだ。君がそばにいてくれると安心できれば、もっと気楽になれるはずだ。激重で束縛しがちなこの気持ちをきちんとコントロールするよ。それは約束する」
多香子は晴久の真摯な言葉を聞いて、しっかりと目を見ることができた。怖さも薄れてきたような気がした。史之の言葉も思い出された。
君はあの人に落ちたことを認めるんだ。
残念でした。落ちきっていません。
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