第8章 初めての秘密の痛み

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第8章 初めての秘密の痛み

 返事がなくても既読はついていたので、小さな発見メッセージは続けていた。今日買った服を載せてみた。それとも野球の匂わせ投稿のほうが良かったのかもしれない。今度はデート投稿をしてみよう。仕事と時々スポーツ観戦という繰り返しを過ごしていると、あっという間に一月近く経っていた。 「史之、行くよ山口。湯田温泉。ただし、シングル2つ」 「シングルふたつを温泉旅館ですると、高くつくけど」 「今は清い関係ですから。シングル2つで、お願いします」 「萩にはどうするの。他に行きたいところでもあれば、レンタカーを借りるけど」 「秋吉台には行ったことあるし、萩の海の方にはまだ行ったことがない気が。ちょっと遠出をしたいかも」 「わかった。空港からも車があると便利だし」 「それにしても今日の試合って」 「まあそういう日もあるって」  千葉でのサッカーの試合の後、適当なところで夕ごはんを食べていた。史之の車で近くまで送ってもらうことも復活していたから、テーブルには餃子とラーメンと烏龍茶が並んでいた。そんな風景を史之が写らないように撮っていた。これを晴久に送ってみようと考えたのだった。
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