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翌日朝起きてから僕は母に、今まで感じていた違和感を正直に話してみようと思った。
「おはよう!」
僕が母に言葉をかけると、
「おはよう!
今日は早いのね!」
と笑顔で言葉を返してくれた。
母は台所で忙しそうにしていたけれど僕はダイニングテーブルに座って母に話しかけた。
「お母さん、僕はお父さんとお母さんに似てないように思うんだけれど僕の思い違いかな?」
父は5年前に他界していて、今は母と僕の2人で生活している。
その母に僕は率直に質問した。
すると母は台所の仕事の手を止めて、ダイニングテーブルの僕の対面に座って話し始めた。
「優心にはいつか本当の話をしなければならないと思っていたのよ!
全て本当のことを話すから、落ち着いて聞いてね!」
母の真剣な表情に、僕は息を飲んだ。
母の話では父と母は子供に恵まれなくて里子を育てようと考え、里親制度に申し込みを行った。
そして東京の児童養護施設に預けられていた僕を里子として迎え入れ、養子縁組もして親子関係になったという。
僕は実の親のことが知りたくて、
「僕の産みの父と母のこと何か知ってる?」
と聞くと母が、
「優心を児童養護施設に預けたのは母親のようなの…
ちょっと待ってて…」
と言って母は自分の部屋に何かを取りに行ったようだった。
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