真実を映し出す水晶玉

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少しすると母が書類のようなものを持ってきて、 「優心を里子として迎え入れるときに交わした契約書なんだけれど、確か優心の母親の名前が記載されていたと思うよ!  そうそう、ここに書いてある。」 と言って書類を指差して教えてくれた。 そこには、 『香坂 恵子(こうさか けいこ)』 と書かれていた。 「優心、今まで本当のことを話していなくて、ごめんね!」 母が悲しそうな顔で僕に謝ったので僕は、 「そんなこと気にしないよ!  そんなことより、血の繋がっていない僕のことを本当の子供のように大切に育ててくれたことを感謝しているよ!」 と正直に感謝の気持ちを伝えた。 すると母の目から涙がこぼれ落ちた。 「本当の母親に会いたいよね!」 母が気にして言葉をかけてくれたので僕は、 「うん、できれば会いたいと思っているよ!  でも、お母さんは今までどおり僕のお母さんだから心配しないで…」 と母を心配させまいと言葉を返した。 僕はまたママさんのスナックに行ってみようと思った。
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