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洞窟はとても狭くて大人1人がやっと通れるほどの細い通路で、場所によっては四つん這いでしか通れない場所があったけれど、それでも僕は暗い洞窟の中を奥へ奥へと進むと、少し明るい広い空間にたどり着いた。
そこは行き止まりのようで、ここに水晶玉があるのではないかと思った僕は、辺りを見まわして水晶玉を探した。
するとどこから現れたのか白い布を全身にまとって、右手に木の杖を持った白髪で長い白ひげの老人が現れた。
その老人は僕の目の前に立って、左手に持っている水晶玉を僕の目の前に差し出した。
「これをお探しかな?」
その老人は、落ち着いた静かな口調で僕に話しかけてきた。
「はい、そうです。」
僕が少し緊張しながら答えるとその老人は、
「貴方を待っていました。」
と言葉をかけてくれたけれど、僕にはその意味がわからなかった。
「僕のこと知っているのですか?」
老人に僕が正直に疑問をぶつけると、
「知っていますよ!
なぜ知っているのかは言えません。
貴方はこの水晶玉を持って自分の真実の姿を見てください。」
と老人は僕に水晶玉を渡しながら言葉をかけてくれた。
僕は水晶玉を受け取って複雑な心境になっていて、困惑した表情をしていただろう僕に老人は、
「心配しなくていいよ!
きっと良いことがあるよ!」
と優しい笑顔で言葉をかけてくれた。
少しすると老人の体全身が霧に包まれて見えなくなり、その霧はスーッと消えてしまった。
僕は水晶玉を持って洞窟を出て自宅に帰った。
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