真実を映し出す水晶玉

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翌週末金曜日、この日は定時で仕事を終えて会社を出て、まずは静岡駅に行って、駅近くのレストランで食事をした。 食事をしながらスナックのことをスマホで調べて、場所と営業時間を確認した。 場所はレストランから歩いて10分程度の飲み屋街の外れで、開店時間は20時のようだった。 レストランを出てスナックの開店まで時間があった僕は、コーヒーショップに立ち寄って時間をつぶすことにした。 コーヒーショップでスマホでスナックのホームページを見てみると、着物の女性はスナックのママさんで『恵子(けいこ)』という名前、もう1人の女性は店員さんで『唯織(いおり)』という名前だということがわかった。 20時を過ぎた頃、僕はコーヒーショップを出てスナックに向かった。 スマホのマップアプリでナビしながら歩くと、迷わずにスナックに到着することができた。 僕は水晶玉で見た、 『スナック 涼風』 という看板が店の前にあることを確認した。 僕が恐る恐る玄関のドアを開けると、 「いらっしゃいませ!」 という声が聞こえて、ドアの内側に笑顔の若い女性店員さんが立っていた。 「お1人様ですか?」 と女性店員さんから笑顔で聞かれた僕は、 「はい、1人です。  はじめて来ました。」 と答えた。
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