本当にあった怖い話

2/11
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
この話は俺が体験した話。 大学2回生の夏、友達と4人でランチをしながら夏休みに遊びに行くための計画を立てていた。 「夏と言えば肝試しだよな!」一人が呟いたこの一言が事の始まりだ。 海や山や夢の国等色々な意見が出ている中、何の脈略もなくいきなり言われたその言葉。 皆がそれぞれ肝試しいいなと話し始める。 夏休みの計画だろ?と話を元に戻そうとする俺を尻目に肝試しの話が盛り上がり始める。 怖がりな俺は肝試しなんかいいから遊びの計画立てようぜと伝えても話は戻ることなく、肝試しの計画が立っていった。 たまたまそれを聞いてた女の子たちも話に参加し、男女8人で肝試しに行くことになってしまった。 1週間後の夏休み直前の夜に皆で集まり、近所で有名な廃工場へ肝試しに向かう。 この廃工場は、一階の端から入って真ん中の階段から二階へ上がり、右手にある扉を開けて屋上に上がると、ベンチが二つ置いてある。 その片方のベンチに女性が座っていて、目を合わせてしまうと追いかけてくると言われていた。 誰かが作った嘘の話だろ?と皆は信じておらず、恐怖体験をするとは微塵も考えていなかった。 行きたくない。 心底そう思っていたが、断ることもできず廃工場へ着いてしまった。 男女二人づつ中に入り、屋上まで上がってベンチの写真を撮影して戻ってくること。 そうルールを決め、肝試しは始まった。 まず、くじ引きで相手と順番を決める。 俺は三組目となり、自分の順番が回ってくるまでペアの子と雑談をして待っていた。 一組目の二人が帰ってきて、何もなかったし何も写らなかった、つまらない。と言っているのを聞いてホッとしていたが、屋上で撮った写真を見せてもらってギョッとする。 ベンチに座る女性が写っている…。 写っていることを皆に言うと、盛り上げるのがうまいなと言うだけで誰も信じてくれない。 もう一度写真を見せてくれと頼み見てみると、座っていた女性は写っていなかった。 怖い雰囲気が相まってそう見えただけなのかと思い、気のせいだったと伝えて深く考えるのをやめてしまった。 そんなやりとりをしているあいだに二組目が出発していった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!