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エピソード2:親友×チャンチー
「おはよう!魔鈴!全力疾走なんて朝から元気ね!」
遅刻回避のため、ダッシュで校門を追加し、私は何とか自分の教室である3-Bまでたどり着いた・・・
と時計をよく見ればまだ10分以上も余裕があった・・・なーんだ。
「はあはあ、おはようチャンチー・・・今日もダンス部の朝練があったの?」
「そうそう、発表会も近いからね!最後の追い込みだよ!」
ショートボブの笑顔が眩しい少女
彼女は地井千晶、愛称はチャンチー
幼馴染の親友にして何度か世界を共に救った戦友でもある・・・
で・・・そのチャンチーの隣で不審な動きをする人物が・・・
「あれ・・・ねえなあ・・・やべえぞ・・・なくしたらマジでシャレになんね~」
ブツブツ言いながら床を見続けている俊足ランナーの大ちゃんであった。
「何探してるの大河君?」
ひょいと除きこむチャンチー
「うおあっ!地井か・・・ビックリさせるなよ!」
チャンチー急に声をかけられて驚く大ちゃん。
「なあ、こんぐらいの少し大きめの鍵見なかったか?」
だいたいのサイズ感を指でなぞる大ちゃん。
「いいえ、見てないけど・・・」
首をふるチャンチー
「ふーん、例えばこんぐらいのサイズかしら?」
私はどや顔で、大ちゃんに鍵を見せびらかす。
「おい!伊藤!それだ!」
鍵を見た瞬間、安心した表情に変わる大ちゃん。
「大ちゃんあんた急いでて、落としたでしょう・・・不用心ね~」
「わり~わり~、でも拾ってくれて助かった!」
「はい、かえす!」
と大ちゃんに渡そうとした瞬間
「ぐわっ!」
急に手を引っ込めて痛がる大ちゃん・・・
「お?大ちゃん、どうした??」
まるで静電気を帯びたドアノブを触ったかのような反応をする大ちゃん・・・
「まさか・・・伊藤を持ち主に選びやがった!」
「伊藤、ちょっと来い、地井、おまえもだ・・・」
「ちょ・・・大ちゃんもう授業始まるって!さすがにさぼるのはまずいって!」
私にしてはえらく常識的な抗議をする・・・っていうかこういう場合まじめなチャンチーの方が言いそうだが・・・
「チャンチーからも大ちゃんに何とか言ってよ。」
「いいえ、魔鈴、ここは大河君に従って!」
「え??」
いつになく表情の硬いチャンチーに違和感を覚える私であった・・・
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