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エピソード3:激闘×ファランクス
「え?ここ理事長室じゃない!」
私の中で”校内で近づいてはいけない場所のトップ3”にランクインするところへズンズン向かっていく大ちゃんとチャンチー
「ってか、普段施錠されてるでしょ。ここ・・・」
近づいたことはないが、この手のエライ人の部屋は施錠されているということを私は聞いた事がある。
「まあ、見てろって・・・」
大ちゃんはポケットからカードを取り出した。
「!!」
ピー
ガチャ
明らかに電子音と開錠された音だ・・・
「え? あんたなんで入れるの?」
大ちゃんが当然ように入ろうとするのでびっくりする私・・・
「あ、そうか・・・俺が言うよりも地井のほうが信用しそうだから、説明してくれ・・・」
「そういう所は、私に投げちゃうのね・・・いいわ。」
入りながらチャンチーが話を始める。
「魔鈴・・・落ち着いて聴いてね・・・
この人・・・四川大河クンはこの星降学園の理事長なのよ・・」
「うえええ??」
ビックリである・・・
「先代の理事長が若くして亡くなって、そっくりそのまま息子が引き継いだっていう状況よ・・・」
「うーん、もはや漫画的展開っすね・・・」
何とか私の頭で処理できるが、これ以上はオーバーヒートする・・・
「ちなみに・・・ここの理事長だけでなくブルースターカンパニーの総帥だったりするのよね。」
はい、お疲れ様です。私のアタマはみごとにオーバーヒートしました!
ちなみに、ブルースターカンパニーはソルトバンクグループと肩を並べるぐらいの規模の大企業である。
もしも、ソルトバンクグループについて知らない方は以前の私の活躍を読んで欲しい。(笑)
私の目の前にいる男子高校生はほんとに一体何者なんだろうか・・・
「魔鈴、大丈夫?ついてこれてる?」
心配そうに顔を覗き込むチャンチー
「まだあるんすか・・・もうおなか一杯・・・」
もう私はお目目ぐるぐるでやんす・・・
そんな状況を無視して話を引き継ぐ大ちゃん。
「ちなみにそれは俺の表の姿・・・
手短に言うと実は先ほどの鍵を狙う敵対組織に狙われている。
やつらは巨大兵器を所持してして襲撃を計画しているらしい・・・そこで・・・」
ドガアア
轟音と共に急に理事長室が揺れた!
「何??地震??」
「奴ら・・・もう嗅ぎ付けたか・・・」
「ええ?あれなに?」
理事長室の窓からのぞくと校庭に巨大な鶏ようなロボットが!
「見つけたぞ!反逆者!」
鶏ロボットが機械的な音声で怒鳴る!
「げ、やつらビースト・ウォリアーを送り込みやがったか!」
ロボットは頭突きで学校を破壊しようと揺さぶる。
「まずい・・・このままでは他の生徒が巻き込まれるな・・・」
「そうね・・・」
大ちゃんの言葉にチャンチーが静かに応える・・・
そして・・・大ちゃんは・・・
「仕方ない、一旦校庭に出よう!」
といい、理事長室を出て玄関に向かって歩いていく・・・
「ええっ?この状況で?」
普通ならさらに安全な場所に避難しそうなものだが、逆に向かって行くなんて・・・
結局私達も大ちゃんと一緒に校庭に出たけれど・・・
「でもうちらがノコノコ出ていったら相手の思うツボなんじゃ・・・」
「大丈夫よ。」
私の心配をよそに、なぜか自信たっぷりに応えるチャンチー。
「私の出番です!」
「へ?チャンチー?」
「行ってくれ!」
チャンチーが身に着けたブレスレットが輝く
「装甲闘士召喚!アンバー・ファランクス」
どこからともなく、目の前に琥珀色の巨大なロボットが現れた!
「おおおすげえ!!」
思わず私は叫んでしまった。
ってか普通じゃねええ!
が・・・普通じゃない状況を何度も見てる私は慣れている。
「搭乗」
その声と共にチャンチーがアンバー・ファランクスというロボットに吸い込まれていく!
「行きます!」
「ん?抵抗するのか!いい度胸だ!闘士形態」
スピーカーの音声と共に鶏ロボットは人型に変形した!
「このグレート・チキンを甘くみてもらっては困る!」
うおお、なんか敵もすげえ!
気が付けば学校の校庭に巨大なロボ二体・・・
普通、警察・・・いや、自衛隊が飛んできそうな状況なんだけど・・・
と考えているうちに
「ケーラン・ボム!」
叫び声と共に手に白い玉を握り、それをぶつけようとするグレート・チキン・・・
するとその玉はアンバー・ファランクスの手前に落ち、すさまじい勢いで爆発した!
「げ!それ手りゅう弾??」
相手はいきなり爆発物を使用し始めた!
「大丈夫?チャンチー!」
巨大な盾で爆風を防ぐファランクス!
「おお、さすが!」
「盾で防ぐとは、小癪な!くらえ!ケーラン・ボム10連発!!」
というが早いかグレート・チキンは先ほどの玉を両手に5個ずつ持ち
一斉に投げ始めた。
「おい!10個は反則だろうが!!」
さすがにこの数はやばいか・・・と思ったが、ファランクスの盾は相当頑丈らしく傷一つない・・・いや・・・一部分だけ赤く変色していた・・・
「大ちゃん・・・これやばくない?」
「まあ、見てなって・・・」
余裕の大ちゃん
「ふう・・・十分防いだわね。」
チャンチーは何かを待っていたようだ。
「地井!チャンスだ!」
大ちゃんが叫ぶ!
「了解!行くわよ!斬斧形態!」
そしてチャンチーが応答すると突如盾が巨大な斧に変形した!!
「ふん、武器に変形したところで当たらなければ意味はないぞ!」
余裕のグレート・チキンだったが・・・
「アンバー・スラッシュ!!」
ものすごい勢いで横なぎに斧を降るファランクス!
「な!横~!」
恐らく縦に振るとおもいこんでおり、よけそびれたグレートチキンはその勢いで吹き飛ばされた!
「おのれ!妙なロボットを作りやがって!覚えてろ!」
半壊したグレート・チキンはそのままいずこかに消えていった。
「魔鈴!言ったでしょ。大丈夫って!」
「うおー!チャンチー!すげー!」
鶏型ロボットを見事撃退した親友の活躍にただただ驚くばかりの私であった。
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