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エピソード4:降臨×ダイナマイト
「で、結局あの鶏のロボットは何だったわけ?」
理事長室に戻るなり、私は大ちゃんに詰め寄った。
先ほど、大ちゃんに真相を聞こうとしたところで変な奴らに乱入され、結局聞けずじまいだった私。
疑問点が山のようにあったのでわかる範囲で一つ一つ聞いてみる事にした。
「あいつらは、簡単に言えばうちらの敵だ。」
「まあ、状況見ればわかるわ。しかも『何かを渡せ』とか言っていたわよね。」
「そこよく聞いていたな、狙っているのは伊藤が持っている”鍵”だ。」
え・・・でも今の状況じゃ私以外触れないんじゃ。
「アイツらは次の”持ち主”が決まったことを知らずに我々から奪い取ろうとしているんだ。」
「まあ、何となくだけど、とんでもない力持ってそうだもんね。」
「そうだな・・・まあ、それについてはおいおい話す方がいいか・・・」
「おいおいって・・・それよりチャンチーの乗っていた琥珀色のロボットは何?」
「えーと・・・それは・・・」
急によそよそしくなる大ちゃんとチャンチー・・・そこ隠すのか?
「それもおいおい話そう・・・」
「そこもかよ!」
説明を求めても結局二人にはぐらかされるのであった・・・
~翌日~
「一体何だったんだか・・・」
腑に落ちない状況で登校する私。
「ごめん、ごめん。説明するにも順番があるから・・・」
私の表情を見て察するチャンチー、今日はダンス部の朝練は一区切りということで私と一緒に登校している。
と・・・目の前にコート姿の人物が・・・
帽子にサングラス、マスクと全く顔が見えない・・・
「え?朝っぱらから”変質者”??」
確かに私達みたいに”かわいい女子高生”が通学する道なわけだからその手の変態さんが出現してもおかしくはないけど・・・
それにしても、様子がおかしい・・・
「見つけた・・・」
抑揚のない声でそういうと私達の方へ近づいてきた。
「チャンチー、警察に通報して逃げよう!」
「そうね。」
「まて、我が名は『ヒーラ・シャイン』、誇り高き”レムリア帝国”の兵士だ!”鍵”を渡してもらうぞ。」
「うわーなんかおかしなこと言ってるよ・・・こいつやばい人だ。」
ダッシュで逃げようとする私・・・が・・・
「やっぱり”レムリア帝国”の手先なのね!魔鈴、ここは逃げて!私が足止めする!」
え?コート男の目の前に立ちはだかるチャンチー。
「チャンチー、そのセリフかっこいいけど、そんな変態相手にしない方がいいわよ・・・」
「そうか・・・貴様はもしや『バイ・ドゥ』を倒した”レジスタンスの一味”か?面白い!ならば!いでよ”サウンド・ドッグ”」
急に空間が歪み、鶏ロボと同じサイズの犬型ロボットが!
そして・・・
「チェンジ!闘士形態!」
前回の敵同様、人型に変形した!
「ならばこちらも!」
「隙あり!」
「へ?」
なんと今までチャンチーを相手にしていたので油断していたが、すごい勢いで私を掴むサウンド・ドッグというロボット・・・
「ぎゃー!あんた、手加減しなさい!目測狂ったら死ぬんだからね。」
「黙れ、こういう作戦が一番有効だ! チャンチーとやら、お友達をひどい目に合わせたくないなら召喚はやめとけ。」
「卑怯者・・・」
ものすごい表情で睨みつけるチャンチー
さすがに膠着状態は良くない・・・
「ここは、定番私にかまわず攻撃・・・」
と言いかけたところで、サウンド・ドッグの手の圧力がアップした・・・
「・・・でもやっぱ痛いの嫌だから何とかして~」
定番のセリフみなさんよく覚悟して言うが、そんな覚悟は私にはない。
このまま握りつぶされるのはごめんだ。
「うん、普通そうだよね・・・」
私のセリフを聞いて力なく反応するチャンチー
「で・・・あなたの要求は何!」
「先ほども言った通りだ・・・”鍵”・・・”青龍の鍵”をよこせ!」
「それムリ・・・」
「おーい・・・」
チャンチー・・・交渉という言葉を知らんわけでもないだろう!
魔鈴ちゃん本格的にピンチ・・・
この状況どう乗り切るか・・・
私は、このタイミングでどういう訳か以前の不思議な光景をふと思い出した・・・
『そなたに危機が迫るとき我が名を呼べ、必ず助けに向かおうぞ!』
えーと名前なんだったっけ??
私はありったけの力で叫ぶ
「アンモナイト!!」
シーン・・・
「何を叫んでるんだお前は・・・」
「ダイヤモンド!!」
シーン・・・
「うるさいな!少し黙れ!」
サウンド・ドッグの圧力が強まる。
「ぐうう・・・」
「魔鈴!」
チャンチーが叫ぶ!
「ダ・・・ダイナマイト!!」
私は、最後の力を振り絞って叫んだ!
「何?」
すると、快晴だった空に急に黒い雲が現れ、天から青い龍の形をしたロボットが現れた!
『ようやくわらわの名を呼んでくれたか・・・しかし名前を間違えるとは前代未聞・・・笑わせてくれるな・・・』
「ま・・・まさか・・・」
動揺するヒーラ・シャイン
『約束通り助けてやろう!』
おおお!ピンチの後にチャンスあり!
「お願いします!」
龍のロボットに向かって必死に嘆願するのであった!
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