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エピソード7:教師×モリタ
レムリア帝国のロボット兵を屠りつつ学生生活は続いていた。
「おーい、伊藤、僕の授業で居眠りとはいい度胸だな。」
その声で目が覚める私・・・
「はっ!あ、ごめんモリー!」
今は物理の授業中だった。
教壇に立っているのは私のクラスの担任であるモリーこと森田 港作先生である。
「モリーじゃない。森田先生と呼べ~、罰として放課後反省文じゃ~」
教室に笑いが起きる。
「まったく、魔鈴は相変わらずなんだから・・・」
「だな・・・」
遠目でチャンチーと大ちゃんはあきれていた。
「うっうっ・・・早く帰りたかったのに~」
放課後一人教室で反省文を書く私・・・
するとモリーが教室に入ってきた・・・
「・・・伊藤、反省文はまだできてないのか~、まったく、君が"青い龍に選ばし巫女"だとは驚きだよ!」
「!!この流れは!!モリーもレムリア帝国の兵士!!」
「おっ!そっちの反応は合格点だね!悪いが今日が君の命日だ・・・」
急に殺気を振りまくモリー、この人やれる!幹部クラスか?
とその時ガラッと教室の扉が開いた!
「・・・森田先生!たちの悪い冗談はやめましょうよ!」
急に現れるチャンチー
「あ、地井すまん。いや~だって伊藤がすごくノってくれるんだもん!」
「へ?敵じゃないの?」
「むしろその逆、森田先生は"アンバー・ファランクス"等のメカを作ったブルーゴーツの凄腕のエンジニアよ・・・」
「な~んだ。ってモリー!マジで心臓に悪いからやめて!か弱いJKいじめて楽しいかこの変態!」
「落ち着いたら罵倒の嵐か・・・というわけで地井の説明の通りだ。改めてよろしくな。」
「はあ・・・」
・・・と意に介さない状況のまま椅子に座ろうとしたその時だった。
ガタガタ
「何?この揺れ・・・地震じゃない??」
「また敵の襲撃ですか??」
「そうらしいな・・・よし、とりあえず俺は指令室に向かう。二人は校庭に向かってくれ!」
そう言ってすぐさま走り出すモリー
「了解!」
「はいは~い。」
私達もそれに反応するかのように校庭に向かうのであった。
さて、今回の敵さんは・・・
「おさるさん??しかも三体・・・」
校庭にはサル型のロボットが三体いた。
「うわー、でじゃーぶー・・・」
私はかって猿の敵と戦い、苦戦したことを思い出した。
しかも、その時も三匹だった・・・
だから何だという感じだが・・・
「相手も数で押してきたわね。でもまだ対応できそう。」
私の動揺をよそにチャンチーは冷静に分析する。
そう、私は味方の機体数をすべて把握はできていないが、少なくとも三体以上は保有している。
つまり、敵が三体で襲撃しても、こちらの数が有利なのは変わりない・・・ということだ。
即座に私とチャンチーはダイナマイト×マリンとアンバー・ファランクスを召喚した!
それに反応するかのように相手の三体も闘士形態に変形した。
「気を付けて!相手は何で攻撃してくるか・・・」
「うわっとおぉ!」
チャンチーが警告するかしないかのうちに敵からミサイルが飛んできた!
かろうじてよけた私はそれを剣で切り落とした。
「物騒だけど結構まともな攻撃してくるわね。」
というや否や、背後から今度は大きな岩が!
とっさに反応したファランクスが盾ではじきとばす!
「え??」
とそこにいきなりレーザー光線が
とっさによける私達、さらにそこに足元目がけてミサイルが
「何この異常な連携攻撃!!」
焦る私とチャンチー、ここまでの猛攻は初めてでかなり追い込まれてしまった。
「この"サンザル"の連続攻撃を避けるとは、敵ながらやるな。」
攻撃が一旦止んだかと思ったロボットから音声が発された。
「その声はヒーラ・シャイン、懲りずに来たわね。」
「当たり前だ!鍵の回収が我々の使命、目的達成の為なら何度でも襲撃する。
ちなみに今回の"サンザル"の紹介をしてやろう。"ミサザル""イワザル""レーザル"だ。」
ズコ
私はロボットごとずっこけてしまった。
「強引すぎるわっ!」
さすがの私も突っ込んでしまう。
「名前はふざけてるけど惑わされないで、あの連携攻撃かなり厄介よ!」
冷静にチャンチーが言い放つ。あ、名前がふざけてるのは認識してるんだ。
確かに三体二ではさすがに不利か・・・
すると・・・
「なにてこずってるんだ!さっさと撃退しな!」
「その声は!」
目の前に現れた深紅の機体、本間先輩操るスカーレット・ランサーが現れた!
「これで三対三ね!」
「ちっ!新手か!しかし、こちらの圧倒的有利は変わらない!」
「それはどうかな?」
ピー、ピー、ピー
「ん?ナニコレ?」
突如、機体内部に通信音が鳴り響く・・・
『我々向けに暗号化された信号が送られてきたようだな。接続するぞ!』
珍しくダイナマイトさんが反応する。
どうやら通信源は本間先輩・・・
「信号受信できてるか?私が来たのはもう一つ森田先生から伝言があって『敵の攻撃パターンの解析が終了した。』とのことなんだが・・・どういうことかはまあ、とりあえず見てみな!」
おお!それは凄い!
敵の隙のない連携攻撃といえど、パターンさえわかれば形成逆転できるはず!
「ふん、時間を取りすぎたな・・・さっさと三体とも始末して鍵を奪うとしよう。」
今までやり取りを伺っていたヒーラがしびれを切らし、攻撃を再開した!
と、スカーレット・ランサーが突進を開始
「相変わらずすごい!」
敵の攻撃をかいくぐりミサザル一直線!
だが・・・
「惜しかったな・・・」
あと一歩のところでミサザルに攻撃をかわされた!
「まずは一体目!いけミサザル!スカーレット・ランサーから始末しろ!」
「うわっ!これはまずい!本間先輩大丈夫?!」
ミサザルがスカーレット・ランサーに向けて至近距離からミサイルを放った!
はずが・・・
「なぜだ?」
なんとミサザルはイワザルに向かってミサイルを放っていた!
当然意表をつかれたイワザルは防御が間に合わず・・・
そのままミサイルが直撃し、爆発した。
「え?同士討ち??」
「まさか!!」
「成功!そのまさかさ・・・三人パイロットがいればいいものの、残り二体はリモート制御、つまり私はミサザルの受信用のアンテナを破壊したのさ!」
と言い放つ本間先輩・・・
そう、ランサーの手にはミサザルからもぎ取られたであろうアンテナがあった。
「まさか暴走してイワザルにミサイル放ったのは想定外だったけどな。しかし、制御を失えばこっちのもんさ!」
「よーし、反撃開始ー!」
制御を失ったミサザルを本間先輩とチャンチーに任せ、私はレーザルの前に立ちはだかる。
「装甲龍姫ダイナマイト×マリン・・・あいつ、おいしい所で出てくるよな~まあ、レーザルはお前に任せた!地井、あたしたちはミサザルを倒すよ。」
「了解!」
「おのれ・・・後一歩のところで・・・こうなればレーザー乱射!!」
追い詰められたレーザル、単体で連続攻撃をする。
あたるとヤバそうだが、攻撃自体は単調!
ダイナマイト×マリンの機動性であれば難なくよけることが出来、
レーザルを攻撃範囲に捕らえることが出来た。
「よくもやってくれたわね!"青龍斬"」
「くそ、追い詰めたハズが・・・覚えてろ!!」
ドカーン
レーザルは私の渾身の一撃を受け、あっさり大破した。
「あんたは連携を自慢していたが、こっちの連携も舐めてもらっちゃ困るね。」
スカーレット・ランサーとアンバー・ファランクスが制御を失ったミサザルさっくりを倒し、サンザル撃退に成功した。
「やはりあの程度の機体とパイロットでは相手すらにならぬか・・・」
遠くでその戦いを見る者がいたことをその時の私達は知らなかった。
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