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エピソード9:強襲×KJ(キラー・ジョー)
カー・チョウの乗る牛型ロボットと紫色のロボットに行く手を阻まれた私たち・・・
「これは・・・戦うしかないな・・・」
本間先輩はそういうと腕のブレスレットをかざす。
「装甲闘士召喚!スカーレット・ランサー!」
どういう原理かわからないが京都でもスカーレット・ランサーを呼び出せるらしい。
「搭乗」
颯爽と本間先輩は赤いロボットへと乗り込んだ!
「あくまでも抵抗するのであればこちらも力づくでいかせてもらうぞ!」
カー・チョウのだみ声がロボットのスピーカーを通してあたりに響き渡る。
そして・・・
「闘士形態」
「あわわ・・・やっぱり変形した!」
ロボットは牛型から人型に変形、しかし頭部は人のそれではなくミノタウロスよろしくウシのままである。
「はっはっはっ!このゴールドアイアン・バッファローに勝てるかな?」
「長い名前・・・だけどなんか強そう、特に野球とか・・・」
「おい!伊藤!お前もぼーっと見てないで、装甲龍姫呼び出せ~!」
あ、そうだった!みとれている場合でない。
さすがに二体いるのに本間先輩一人に戦わせるわけにはいかない。
・・・すると横にいたソナは、
「了解!私も参戦するある!」
と言い出した。
え、ブルーゴーツの一員という話でもしかしたらと思ったら・・・
「装甲闘士召喚!コーラル・イェーガー!搭乗」
ソナがブレスレットをかざし、ピンク色の機体のロボットを召喚し乗り込んだ!
「わ、わたしも!!来たれ!青龍ダイナマイト!!」
急ぎ、ダイナマイト×マリンに飛び乗った。
「ようやく揃ったか・・・」
今まで沈黙を保っていた紫の機体から声が聞こえる・・・
この機体、よく見るとビースト系のロボットではなさそうだ。
むしろスカーレット・ランサーに近い形状をしている・・・
「こ・・・こいつ・・・」
驚きの声をあげる本間先輩・・・
「え?本間先輩知ってるの?」
どうやら本間先輩は紫のロボットに見覚えがあるらしい。
「敵にしては珍しい機体だと思ったが・・・強奪されたといわれているヴァイオレット・スナイパーじゃないか・・・乗っているのは・・・」
本間先輩の声がかすかにふるえていた。
「反逆者ども、お前らが死ぬ前に名乗っておこう、わが名はKJ"キラー・ジョー"だ。」
抑揚のない冷たい声が機体から発せられた。
どうやら声の主は先程私から鍵を奪おうとした紫のコートの女性らしい。
彼女の強さは未知数だがやるしかない。
スカーレット・ランサーもコーラル・イェーガーもいるこちらが優勢!
「いくぞ!」
「了解!」
本間先輩の掛け声で散らばる私たち
「ふん、何体いようと蹴散らしてくれる!」
バッファローがランサーに襲いかかる!
「援護射撃ある。」
コーラル・イエーガーは背中からクロスボウのような武器を取り出し、矢を放つ!
「くっやるな!」
想定通りの三対二の乱戦になった・・・
いや、想定外の三対一
ヴァイオレット・スナイパーは微動だにしていない。
それがかえって不気味さを醸しだしていた。
「ならば先にバッファローをしとめる!」
「オッケー!」
本間先輩の掛け声でヴァイオレット・スナイパーの動きを意識しつつ、私はスカーレット・ランサーとともにバッファローを攻撃することにした・・・
が、
「うわ、なにこの馬鹿力!」
振り下ろした剣をあっさり斧で弾き飛ばされる。
しかも、ものすごい衝撃だ!
「フン!ザコとはちがうのだよ、ザコとは!」
「いやいや・・・そのセリフ間違いないけど危ない!」
敵にまでツッコミを入れてしまう私であった・・・
「こいつ・・・思ったよりやるぞ!」
スカーレット・ランサーの攻撃も同様に弾き飛ばされていた!
「ふん!どうした!!そんなものか!」
二対一だが余裕すら見せるカー・チョウ
「このまま押し切ってやる!」
ところが・・・
「甘いあるっ!」
なんと私たち攻撃の隙間をぬってバッファローのスコープアイに深々と矢が刺さっていた。
「ぬう!目がっ!目があっ!」
あまりに意表を突いた攻撃にもがくバッファロー
「いや、モニターを破壊されただけだと思うんだが・・・まあ、そんなことはいい!ダイナマイト×マリン、チャンスだ!」
「むうう!どこだ!どこだっ!!」
めちゃくちゃに斧を振り回すバッファロー・・・
勢いはあるが当たらない攻撃は怖くない。
「水の力を我が手に烈水斬!」
あっさり避けて一刀両断する私
「ぬ・・・ぬかった・・・」
すごい勢いで爆発するバッファロー・・・
今までよりも異常に煙が多い。
「案外あっけないわね・・・さて。もう一体行きますか!」
それが私の油断だった・・・
「それにしてもなんでこんなに煙が多いんだ?・・・まさか・・・」
「リンリン、煙幕アルッ!」
ソナと本間先輩が気がついて声をあげた時には遅かった!
「え?煙幕??なんで?」
「・・・」
煙幕が消えた直後、今まで微動だにしなかったヴァイオレット・スナイパーが突然銃を構え、私の目の前に姿を現したのだ。
「さらばだ。青龍の巫女!」
冷たい声で言い放つKJ・・・
「!!」
もはや私は避けることも防ぐこともできない・・・
パーン
・・・乾いた音が無情にもあたりに響きわたる・・・
その直後、ダイナマイト×マリンは衝撃で倒れた。
「あ・・・あれ?」
・・・が、倒れただけでどこも損傷していなった・・・
しかし・・・
「伊藤・・・無事か・・・」
ダイナマイト×マリンの前には機体に穴のあいたスカーレット・ランサーが横たわっていた・・・
「!!!」
そう、直撃を受ける直前にダイナマイト×マリンはスカーレット・ランサーにつきとばされたのだ!
「無事あるか?加勢するある!」
煙幕が完全に消え、ソナのコーラル・イエーガーが追撃しようとしたが・・・
「ちっ・・・仕留めそびれたか・・・」
KJ操るヴァイオレット・スナイパーはスピードをあげ離脱し、いずこかに消えた。
「本間先輩!本間先輩!」
「リンリン落ち着くある!!」
私は必死に呼びかけたが、機能停止状態のスカーレット・ランサーから先輩の声が聞こえることはなかった・・・
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