エピソード1:主役×マリン

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エピソード1:主役×マリン

レムリア大陸・・・ ムー大陸、アトランティス大陸と共に超古代文明が栄え そして、突如海に消えた謎多き大陸・・・ 今を生きる人々の多くはその存在すら知らない・・・ だが、その伝説の大陸の存在を示すものを私達は知ることとなる・・・ 「うわあ、遅刻遅刻!」 朝っぱらから騒がしくして申し訳ない。 私、伊藤魔鈴18歳、星降学園高等学校三年生・・・ 現在寝坊して、通学路を全力疾走中である。 ・・・というのもいつも一緒に登校してくれる親友が、今日に限って早い時間に登校しており、私一人で登校しなければならなかったからだ・・・と人のせいにしちゃいかんわな。 ということで予鈴に間に何とか間にあうようひたすら走っている。 すると、背後からさらに猛スピードでダッシュしてくる人物が・・・ 「あ、大ちゃんも遅刻?」 「なんだ伊藤もかよ!急がないとマジで遅刻するぞ!悪いがお先!」 といって、追い抜いたのは大ちゃんこと四川大河、私のクラスメイトである。 三年生になってから話をするようになったが、良くも悪くもお調子者で、私が気軽に話せる数少ない人物である。 「うわあ・・・足早っ!待って~」 陸上部にでもはいりゃいいのに・・・というレベルの俊足で彼はあっという間に姿を消してしまった。 「ん?これは・・・鍵?」 先を急ぐ私の足元に手のひら大の少し大きい鍵が落ちていた・・・ 拾おうかと思った瞬間、嫌な予感が私に駆け巡る・・・ ま・・・まてまて、魔鈴・・・うっかり落ちたものを拾ってどうなったか忘れたわけではあるまい・・・ そう、この私、このような状況でうっかり物を拾ったがために何度となく事件に巻き込まれたことがあったのである。 ここは無視すべきだと思うのだが・・・やっぱり気になり拾ってしまった。 「ここに落ちてるってことは、大ちゃんが落としたのかも・・・」 手に取って見てみると、精緻な龍の模様が刻まれており、光を反射して青く輝いていた。 「おお、良く見るとカッコイイ鍵じゃないか・・・」 私は悪ふざけでその鍵を空にかざして 「開け~ 龍の扉! なんちゃって・・・」 と言いながら鍵をひねった瞬間である。 空に扉(!!)が開き、私はその中に吸い込まれてしまった。 この瞬間、私はやっちまった!と思った。 これ絶対面倒ごとに巻き込まれるパターンだ! 気が付くと私はすべてが白い空間にいた・・・ そして目の前には・・・ 青い服を着た髪の長い人物が立っていた・・・ その人物は私に語り掛ける・・・・ 『わらわを長年の眠りから覚ましたのはそなたか・・・』 「あ・・・はい・・・」 嘘をついてもしょうがなさそうなので正直に答えた。 『そうか!そなたが新たな龍の巫女か!』 「え?巫女?あ、ごめんなさい!間違えました!」 なんか勘違いしてるみたい・・・ 『なぬ・・・間違えてわらわの精神世界に入り込めるわけがなかろう! まあ良い、わらわは"青龍ダイナマイト"・・・ そなたに危機が迫るとき我が名を呼べ 必ず助けに向かおうぞ!』 「え?ええ?」 気が付いたら私は鍵を握ったまま、通学路にぼーっとつっ立っていた。 「や、やばい、本気で遅刻する!」 時間がないのに変なタイムロスをしたせいで、私は死ぬほど全力疾走するハメになってしまったのである・・・とほほ・・・
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