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ある朝、起きたらアリになっていた。
コリーはあお向けのまま、もがいた。足が増えている感覚があり、気味が悪かった。ベット越しに鏡を見ると、自分の体が黒光りしていた。
家族が見たらどう思うのか…
コリーは絶望的な気持ちになった。
コンコンコンコン。
扉を叩く音がした。
「おにいちゃん?どうしたの?朝ごはん食べないの?」
妹のジェニーだった。
コリーは、大変なことが起きたんだと伝えようとするものの、「キュキュキュ」という音しか出せない。妹には声が届かない。
ジェニーが階段を降りていく音がした。
しばらくすると、
ドンドンドン
より大きな扉を叩く音がした。
「どうしたんだ?コニー?」
「だいじょうぶなの?」
父と母の声だ。
家族がドアを開けて入ってきた。
こんなグロテスクな姿を見せることになるのか。
コニーは覚悟を決めた。
だが、家族はコニーを探せない。
「いったいどこに消えたんだ??」
父がいぶかしげな表情を見せる。
プチッ。
妹のジェニーによって、コリーはつぶされた。
それすら家族のだれも知ることはなかった。
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