プロローグ

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「そうだったね。私は水津芹奈。ここでチューターをするようになって四年なんだけど、実は私もここの卒業生なの。だからってわけじゃないけど、みんなには絶対に第一志望の大学に行ってほしいと思ってるから、みんなでがんばろうね!」  芹奈のこのあいさつに、生徒たちは少しだけどよめいた。  どの部分に反応したのかはわからないけれど、受け入れてもらえたとは思う。 「じゃあ、今日の面談はこれで終わりね。テキストを持ってくるから、ちょっと待っててね」  かくして、芹奈の新しい挑戦が始まったのである。  全員が第一志望に合格するというのはとても高い壁ではあるが、今年こそ達成したいと、芹奈は強い気持ちを持ってテキストが保管されている部屋へと向かうのだった。
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