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「……終わりました」
大きく息を吐いて、のどかが声を出す、表情は真剣そのもので、落ち込んでいる感じはまったく見られない。
「見直しは平気?」
「はい。見直しして答えを変えてもいいことはないって、海老原先生が言ってました」
そのことは芹奈も聞いていた。
初めて聞いたときは驚いたが、一回目の考え方こそが自分が習得したものであるはずだから、そこを疑ってしまっては話にならない、という考えのようだ。
見直しは明らかな読み間違えがないかどうかの点検程度に留め、時間を目いっぱい使って一発で答えを決めよう、というのが海老原の方針だ。
のどかはそれをしっかり実践している。
「ちなみに、何分かかったか、意識してた?」
「えっと……二十二分くらいでしょうか」
これもおおむね当たっていた。
途中で思い出したかのように、解き始めた時間をメモしていたから、これは芹奈の言いつけを守ったことになる。
「それじゃあ、まずは答え合わせをしようか」
「私がやるんですか?」
「そうしてもらうつもりだったけど?」
「自信ないんで、芹奈さんがやってください」
自信があるときこそ見てもらいたいものなんじゃないのかなとは思ったが、断る理由もないので引き受ける。
漢字はすべて正解だった。
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