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「……」
無言で丸付けをする芹奈と、その様子をじっと眺めるのどか。
問題数は多くないから、採点はすぐに終わった。
結果は二ミスで34点。
よくもなければ悪くもない。
「微妙、ですね」
のどかの第一声はこれだったが、表情は幾分柔らかくなっているように見える。
大きな失敗はなくて安心した、というところか。
そのあとは、予定通りにのどかの回答の根拠を聞いた。
問題は事前に目を通してあるから、説明を聞いて特に疑問はなかった。これもやはり、海老原の指導通りに進められていることがわかった。
「オッケー。解き方も問題なさそうだし、心配ないんじゃないかな」
文章を読む前に設問に目を通すこと、棒線部に当たったらその都度設問に取り組むこと、選択肢は前半と後半に分けて正誤の判断をすることなど、海老原の教えはしっかり行き届いている。
「感覚的には昨日と変わりませんけど……」
「昨日はたまたま、うまくいかないことが重なっただけなんじゃないかな。解き方も考え方も問題ないし、この調子で進めていけば大丈夫だって」
これは決して気休めで言っているのではない。
むしろこうでなくちゃ困るのだ。
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