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「なんすか、これ」
「字が小さい……」
「出願校調査用紙。二学期の面談でこれを使うの。裏面に記入例が書いてあるから、まずは目を通してよ」
この紙には、受験に必要な情報をたくさん書き込めるようになっている。
項目を順になぞると、まずは志望順位と目安となる偏差値、大学名と希望する学部を書く欄がある。偏差値以外は普通の志望校調査と同じだ。
続いて、入試方式と必要な科目と配点を書くスペースが用意されている。
生徒たちはこの部分を埋めるのに時間がかかる。
同じ大学でも、方式が変われば科目や配点が変わるので、それをきちんと把握したいのだ。
名称が大学によって様々なのがわかりにくさを助長する。
これらが全部で十五校分書けるようになっている。
国立が三枠、共通テスト利用入試の私大が四枠、私立の一般入試が八枠という内訳だが、必ずこの枠に収めてほしいということではない。
紙の上段にこれらを書くスペースがあって、下段は上段に対応した試験のスケジュールが書けるようになっている。
芹奈にとってはこっちが肝要で、期間は一月第二週から三月第三週までの長期間に及ぶ。
それをA3用紙一枚にまとめているので、紙は大きくても字は小さい。
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