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「なんとなくわかった?」
「まさに、なんとなくなら……」
「書くのすごく大変そう」
「大変だよ。でも、これがしっかり書けないようじゃ受験はうまくいかないと思うから、真剣に書いてよ」
「そんなに大事なんですか? あんまりそうは見えませんけど」
こう言ったのは尚典で、芹奈は返す言葉に困った。
国立しか受けないのであれば、この紙の重要性は確かに低いし、完成させるのも手間じゃない。
「まぁ、ここに書く学校を全部受けるってわけじゃないから、とりあえず一般的な受験パターンで説明させて」
尚典にも私立受験を考えてほしいから、芹奈は尚典の目を見てこう言った。
尚典も決して嫌そうな顔はせず、聞く姿勢をとってくれた。
「まずは上段について。これは蛍雪時代を参考に、自分が受ける予定の入試の情報を正確に書き写してね」
大事なのは、方式と試験科目、配点をきちんと把握すること。
どれにするべきか迷うことはあるだろうから、そのときは必ず相談してほしいと伝える。
「その、方式によって受かりやすさって変わるんですか?」
手を挙げて質問したのは雅貴。
気になることがあったらどんどん聞いてほしいと添えてから答える。
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