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「早いところでは試験から一週間後くらいに発表があって、その一週間後くらいに手続きの締め切りがくる」
「じゃあ、メインの受験の前に期限になるじゃないですか」
「そう。試験前かもしれないし、発表前かもしれない」
「ダメじゃん。せっかく受かっても行けないってことでしょ?」
「そこで出てくるのが、延納手続き。学校によって違いはあるけど、多くは入学金に当たる額を先に納めておくことで、権利を保持することができる」
「金かかるんすか?」
「基本的に必要だと思って。学校によって金額はかなり差があると思う」
「実際にその大学に行かなかったら、そのお金って返ってくるんですか?」
「返ってこないと思って。返してくれるところもあるとは思うけど」
「ひでぇ。詐欺じゃないすか」
別にだましているわけではないし、受験生の大半が滑り止めに使うような大学では、ここでお金を回収することは経営的にとても重要なのだろう。
芹奈は大人の事情だとだけ言って、話を進める。尚典は無言だがかなりのしかめっ面だった。
「じゃあ、この手続き締め切りもちゃんと考えないと、親にも迷惑かけちゃうってことですね?」
神妙な顔つきでのどかが声を出す。
高いところでは数十万円にもなるから、むやみやたらに受けるわけにもいかない、ということだ。
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