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「まとめると、この●によって、どこかひとつ、進学しない大学にお金を払うことになる可能性があるってことね。これは絶対に覚えておいて」
「えっと、第一志望に受かったら無駄になるってことだよね?」
「無駄って言うと悲しいけど、まぁそうだね。残念な結果になった場合、先に払ったお金はそのまま入学手続きに使われるから、そのときは普通に必要経費になる」
「まー、浪人はしたくないからな。今のうちに親に頼んでおこう」
「う、うん。でも、なるべく締め切りが遅い学校を選びたいな」
多くの大学を受ける予定の雅貴とのどかはすぐに理解を示してくれたけど、なるべく数を少なくしたいと思っているはずの藍と尚典は、特に表情は変えずに二人のことを見ていた。
このあたりはかなりの温度差で、芹奈としてはちょっとやりにくい。
「あと、さっきもちょっと話題になったけど、試験日も当然気にかけてね」
「やっぱりかぶるものなんですか?」
「そうだね。でも、最近は試験日をいくつも用意してくれる学校が増えてるから、なんとかなることも多いよ」
「同じ大学を二回以上受けるときは、どうやって書けばいいんですか?」
「まったく同じ方式なら、同じ行を使って。〇とか☆が複数あってもいいから」
「大変そうだけど、なんか楽しみになってきた。早く書きたいな」
雅貴が前向きな姿勢を見せてくれて、芹奈は少しだけ安心できた。
しかし、まだ話は終わらない。
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