プロローグ

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 しかも、予習は習っていない内容が含まれることもあるので、時間がかかる割に得られる知識が少ない。  しかもその知識が必要なものなのか、その解法が最善のものなのかもわからないので、予習メインの勉強は非常に効率が悪い。  だから、予習していてわからないものがあれば、それはそのままでいいのだ。  授業を受ければ多くの疑問は解消するはずだし、気になるところが残れば質問をすればいい。  そして授業後の復習でより確かな知識として定着させる。  こんな感じのことを、過去の経験談を交えて時間をかけて丁寧に話した。  生徒たちはしっかり芹奈の顔を見て話を聞いてくれていたから、気持ちは伝わったと思いたい。 「だから、今後の個人面談では、毎回必ず何かしらの復習チェックをするよ」 「それって、テストってことですか?」 「そんな大がかりなものじゃないよ。前回の授業内容はこっちで把握できるし、先生方から何を復習するべきかを聞いておくから、授業ごとに必要な確認をしていければいいなって思ってる」 「時間がなくて予習ができないってなっても、復習を優先させるべきってことですよね?」 「そうだね。でも、そういうときは必ず相談して。どうにかして時間を作る工夫をしてほしいっていうか、勉強の仕方を少しずつでも改良していきたいから」
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