プロローグ

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「誰が何曜日かって、もう決まってるんですか?」  こう発言したのは、駒宮雅貴(まさき)。二年生の夏から通っているので、芹奈ともそれなりに付き合いがある。  人当たりがよく、学習意欲も高いので、このチームの中心的存在になってくれるだろうと、芹奈はひそかに期待している。 「そうだね。みんなが授業で来る予定の日に組ませてもらうよ」  面談のためだけに来てもらうことのないように配慮をした結果、全員のスケジュールはあっさり決まった。 「まず、火曜は駒宮くん」 「いきなり俺っすか? 明日からってことですよね?」 「そう。続いて、木曜が奥平(おくひら)さん、金曜が野原(のはら)くん、土曜が村川(むらかわ)さん。時間はあとで個別に知らせるね」  このシステム自体は、三月に行われた新年度の先駆け説明会で生徒たちには伝わっている。  このチューター制度が売りというか、これに期待して入ってくる生徒は多いから、面談を嫌がるような人はいない。
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