許嫁

2/2
前へ
/22ページ
次へ
「……まあまあ、そうなのですね!  アナタがヴァルの乗る蒸気騎士のAIになる予定の」  アネモネの登場に、マグノリアは嬉しそうに驚きの声をあげる。  というか、この婚約者はヴァーリの事をヴァルって呼んでるんだ。  ゲーム内でそんな描写なかった気がするし始めて知ったけど……流石幼馴染の許嫁というか羨ましいな、その愛称。 「トールはアネモネのものだ。  だからマグノリアは素直にヴァーリだけを愛すればいい」  だから主人公トールはアネモネの……あー、もういいや。 「と言われましても、そもそもアティシがトールさんという方を存じませんからねえ。  むしろ好きになれという方が無理だと思うのですけど」  確かに彼女のいう通りなのだが、今後ゲームの強制力がどこまで運命として及ぶのかわからないから、これは何とも。 「……で、モンステラさん?  アティシはヴァルを絶対アナタに渡すつもりはありませんから!」  要らないよ!とは言わないけど。  まあ本当にマグノリアがヴァーリを幸せにしてくれるなら祝福はするよ。  でも、そうならなかったら……
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加