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とうとう初登校日がやってきた。
僕はるんるんとした足取りで母と一緒に学校へ向かった。
学校の校門をくぐると、少し先に立っていた2人の女性教師がこちらに向かってやって来た。一人は四十代後半くらい、もう一人はまだ大学生に近そうな歳頃の教師だった。
「転校生の水谷さんね。今日から貴方の担任を務める広川と森田です。」
「よろしくね、無夢くん」
「よ、よろしくお願いします!」
僕も慌ててお辞儀した。
「じゃ、むゆ。頑張ってね」
母は僕の手をぎゅっと強く握ったあと、校門を出て行った。
「さっそく教室に行きましょうか」
足早に歩き出す先生たち。
しばらく歩いたあと、広川先生はこう言った。
「私たちは先に教室に入るので、水谷さんは私が合図を出したら入ってきてくださいね。」
僕はこくりと頷いた。
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