Sweet Pain : 圭ちゃんの十字架

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 十数人いるメンバー皆が毎月、自分のことやメンバーに宛てたメッセージを書いてサークルリーダーまで締切までに送ると、それらを束ねて編集し、冊子にして送ってきた。  いわばその十数人と並行してメンバー皆の目が触れるところで文通をしているような場になっていた。  インターネットが普及する前のことなので、今でいうSNSのコミュニティが感覚的に近いだろう。  それをアナログでやっていたためか、互いに会ったことはないのに友人としてとても親密な関係を築いていたように思う。  そこで出会ったのが、圭ちゃんだった。  埼玉県に住む同い年の女性で、当時は互いに大学生だった。  
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