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そのサークルでは個別にやり取りをしたい人はリーダーを通して封書等を送り、文通等の付き合いを始めることが許されていた。
それで彼女から、直接手紙のやり取りをしてみたい、という内容の封書をもらった。
そのころの僕は遅れてやって来た反抗期のさなかにあって、サークルの冊子にいかにも厨二病と揶揄されそうな、激烈なエッセイや詩を載せていた。
それが彼女にいたく響いたらしく、僕と直接言葉を交わしたいというような様子だった。
そのとき手にした住所と宛名の書かれたメモで、彼女の名前が「圭子」であると知り、以降手紙の中では彼女を「圭ちゃん」と呼んだ。
(ちなみにサークルでは皆、ペンネームで名乗っていたが、僕は本心を赤裸々に書き綴る信条だったので、下の名前を名乗っていた。
一方の彼女は「夢遊民」というペンネームだった。だいぶのちに知ったが、劇団名がその由来だった)
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