Sweet Pain : 圭ちゃんの十字架

　僕は繰り返し「今という刻を情熱的に、命懸けで全力で生きる」ことを書きつけ、強調していた。
　それが彼女に響いていたのだろう。

「君と同じことを言っているアーティストがいるよ。このロックバンドの曲聴いてみて」
　そういう文言と共にカセットテープが送られてきた。
　インデックスには、サインペンの小さな文字で「カモンベイビー」とあった。
　僕は家にあったカセットデッキでさっそく鳴らしてみたが、まさにロック。

　ラウドロックに馴染んだ今の僕にしたら正直かなりポップ寄りなのだが、当時はゴツゴツした激しく突き上げるロックにきこえた。