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その後は、昔話に花が咲いた。 付き合っていた時に二人で遊びにに行った時の話や、会社の人の話。 やはり、中村春馬と一緒に居ると楽しくて。 いつの間にか涙も止まって、笑っていた。 この楽しい時間が続けばいいな、と思った。 気付いたら、私と中村春馬は眠ってしまったみたいで。 「…え、11時?会社!」 寝ぼけて手に取ったスマホを見て、慌てて起き上がった。 床で寝ていたみたいで、体が痛い…。 「…今日…土曜日…俺は休みだけど、十和子は出勤だった?」 私の声で中村春馬は目を覚ましたのか、床に寝転んだままうっすらと目を開けている。 「…ああ、そっか。 私も休みでした」 私はホッとして、床に再び寝転んだ。 いつの間にか寝てしまったな。 朝の5時前くらいまでは記憶があるけど。 「俺、帰る」 中村春馬は体を起こして、首を回している。 同じように床で寝てしまったこの人も、私のように体が痛いのだろう。 「うん。下迄送って行く 歯みがきと顔だけ洗って来るから待って」 「え?前回と違い、見送ってくれんだ?」 そう意地悪気に言われる。 「コンビニに行くついで」 なんだか、凄くお腹が空いてる。 「そっか。俺も顔だけ洗わして」 寝起きのこの人の顔を久しぶりに見たけど、やはりこの人との事は過去で、懐かしい気持ちに胸がほんのり温かくなった。
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