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「あなたの時は周りに内緒だったから良かった。
そういえば、会社の人達には付き合っている事を内緒にしておこうって、あなたから言い出したけど。
やっぱり私の事を捨てるつもりだったから?
噂が巡って、今の奥さんに知られたくなかった?」
結果、この人との交際を公にしてなくて良かったのだけど。
だって、この人には大手百貨店のご令嬢の婚約者が居て、私は捨てられたなんて周りに知られなくて。
けど、もし端から私を捨てるつもりで周りに秘密にしようと言って来たのならば、ムカつく。
「それはノーコメントで。
もう昔の事だしさ」
そう言って笑っている中村春馬は昔と変わらずな感じで、腹立つのだけど、変わらないその感じに胸がグッと詰まる。
本当にこの人が好きだったな、と思い出す。
今はもう…。
いや、今も…。
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