94人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の手より小さくて細いのに、どうしてこんなに温かくて柔らかいんだろう。手を繋ぐといつもドキドキする。多分大人になってもそうなんだと思う。
そんな気持ちとは関係なく、僕を包む魔法の光は手を伝わってルナの体に広がり、少しだけ強い光になって二人をぷかりと宙に浮かべてくれる。
「へっへーん」
ルナ、そしてこの笑顔である。
いたずら猫みたいでかわいい。
今はまだ空をよちよち歩きしてる感じだけど、ちゃんとビュンビュン飛べる様になったらもっと良い防寒コート買ってもらわなきゃね。
空の上は地上より寒いし風も強いから、ルナが鼻水垂らさない様に。
「また何か変な想像したよね?ぐすっ」
「してないってばあ」
「それにしてもさあ、楽しみだね!
月ってどんななんだろう?」
「ふふ、そうだね」
あと何日かしたら空に、月と言うものが見えるらしい。
もちろん僕も楽しみで、興味津津で。
そして、ちょっとだけ怖くもあった。
「みんな、大変だぞ!
もうすぐ月が見える日が来るそうだ!」
なんて言いながらスクールの先生も、すっごく楽しみな顔をしてた。
「ルナは月ってどういう物か知ってるかい?」
「先生、私は歴史が大好きなのよ!もちろん知ってるわ」
「ほほー、そうかそうか。じゃあみんな知ってるな」
「どういう意味ですかああ」
「冗談冗談。まあせっかくだし、今日は月について語ってみようかな。みんなが知らない事もあるかもしれない」
一応、僕も他のみんなもだいたいの事は知っていたつもりだったけど、こんなに真剣に先生の話を聞いたのは初めてだったかも。
ごめんね先生。
最初のコメントを投稿しよう!