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ハリヤマ王国過半数の住民が信徒だと言われるハリヤマ教団。 はるか昔、この地に現れた魔王を倒したと言われる神獣ハリヤマ様を御神体としてため祀る教団だ。 しかーし、その教団は今や教団幹部たちが私腹を肥やすだけみたいな宗教団体になっていた。 あろうことか、教団は俺が作った魔道具やスマホを「邪神教徒が作った魔道具だから、使うと命を吸い取られるぞ」みたいな噂を流し、俺の仕事を邪魔してきたのだ。 そのおかげで、俺が作る魔道具やスマホは計画の1割も売れていない。 そのような現状を打破するため、俺はモンスターを美容整形魔法でハリヤマ様そっくりにし、王都教団本部へ乗り込んだ。 そして、俺はハリヤマ様の使徒として教団トップの総帥になったのだ。 もちろん、俺の邪魔をしたり俺を暗殺しようとする教団幹部たち。 そんな奴らはすべて黒髪黒目の奴隷にしてやった。 ハリヤマ様の力でやったことにして。 エイジ総帥に文句を言ったりするとハリヤマ様の怒りで奴隷にされる。 そんな感じで、俺は畏怖される存在に。 いやいや、そんなに俺は怖くないよ? ちゃんとした理由のある反対意見ならちゃんと聞くよ。 俺は別に独裁者になって恐怖政治みたいなことをやりたいわけではないのだ。 俺は信徒たちに伝えた。 「黒髪黒目の奴隷になった教団幹部たちは、モンスターが人に化けていたのです。なので、ハリヤマ様は奴隷にしたのです。モンスターでない人がハリヤマ様や僕に文句や反対意見を言っても奴隷にはなりません。 皆さん、自分がモンスターなのかモンスターではないのか、御自身がよくわかっているはず。モンスターではない人は理由ある文句や反対意見なら自信を持って教団本部事務局へお伝えください」 と。 もちろんね、狂ったようなことを言うような奴は問答無用で奴隷にしたよ。 「神官長と俺を結婚させろ」「俺を教団幹部にしろ。年収は1億エンな」「ハリヤマ様の使徒を俺と代われ」とか言ってきた奴ら。 馬鹿なの? で、教団にはかなりの奴隷が増えた。 奴隷に食べさせる食事も大変だ。 教団本部に住まわせる場所もないし、そんな奴らと一緒に住む気もない。 そんな奴隷たちは、王都の郊外で農業をさせることにした。 モンスターの餌にしてやろうかと、一瞬だけ本気で思ったが、そんなことをしたら流石にエリルに怒られると思ったから。 最大限の努力をすれば、最低限の衣食住が得られる環境だけは与えてやる。 教団幹部として私腹を肥やし、ぬくぬくと生きてきた奴らが真面目に農業をやるとは思えないが、とりあえずのチャンスは与えたからな。 ハリヤマ教団総帥としての俺の朝は、そんなに早くもないし忙しくもない。 教団本部に住んでいるから満員電車で通勤するわけでなく、宗教あるあるの朝の御勤めとか廃止したから。 朝の5時からお祈りや奉仕作業とかって、始めた奴らは馬鹿じゃないのか。 朝はちゃんと7時まで寝ないとお肌と脳と健康に悪いに決まっている。 なんせ俺は育ち盛りの4歳なのだ。 「エイジ、起きなさい」 まどろんでいたらエリルに起こされているようだ。 「うーん、何時?」 「6時30分よ」 「あと30分」 「起きないと朝ごはん抜きよ」 「うん」 俺は睡魔に負け、朝ごはん抜きになった。 エリルはやると言ったらやる女なのだ。 「エリルお母さーん、お腹すいたよ〜」 「私はエイジのお母さんじゃありません」 「お姉さん?」 「あまりふざけていると、お昼ごはんも抜き」 「ごめん、エリル。愛してるよ」 「もう、エイジは。私も愛してる」 こんな朝も良いものだ。 まあ、朝ごはんや昼ごはん抜きにされても別に困らない。 宇宙空間の魔素を取り込んでいる今の俺は食事をしなくても生きていけるのだ。 魔素で生命維持できている。 大気中の魔素なら無理だけど、宇宙空間の魔素なら食物の代わりになるらしい。 宇宙空間魔素にはカロリーがあるのだろうか? それとも、魔力が魔素を生命維持のカロリーにしているのか。 宇宙空間魔素は目に見えない。見えない物を魔法鑑定することは不可能。 不可能なものを解明しようとするのは時間の無駄だから、これ以上は考えないようにしている。  エリルの作ってくれる料理は美味しいから食べるけどね。 さて、仕事の時間だ。 「さあ皆さん、朝のラジオ体操を始めます」 仕事の前にはラジオ体操だよね。 魔力CDプレイヤーでラジオ体操の音楽を流す。 教団の新規幹部メンバーたちと朝のラジオ体操だ。 そして朝礼。 俺は幹部たちの前に立つ。 「さて、今日も真面目に働きましょう。休憩時間はちゃんと守るように。勤務中のサボりや居眠りは許しませんが、トイレは我慢せずに行っていいです。今日も1日安全に」 「今日も1日安全に」✕10人 さて、ハリヤマ様たちを起こすか。
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