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「これより、第1回ハリヤマ教団本部会議を行います」
俺は宣言した。
「あの、総帥様」
「はい、副神官長」
「孤児の僕が副神官長なんて、まして教団本部の運営をするって、大丈夫なんでしょうか」
「ふむ。何が心配なのかな」
「あの、大人が神官長だけですし、他の8人は皆んな孤児ですし」
「いいのいいの、教団の仕事をしたいと言う大人なんて、まともな人は少ないから」
「そう、なんですか?」
そうなんですよ。
「考えてみてください。ハリヤマ様のためですとか言いながら、孤児をこき使い信者には無料奉仕を強要し全財産を寄進をさせる。そんな大人がまともなわけありません」
「そう言われたら、そうかもです」
「そうなんです」
教団本部の運営は俺とエリル、9人の孤児たちで行うことにしたのだ。
はっきり言って、教団の仕事ってそんなに難しくないし。
信者からもらった寄進を帳簿に記帳し、神殿の掃除をするくらいなのだ。
集まった寄進のお金や貴金属とかは、俺がいない時はエリルの空間収納にしまってもらうし。
だから、教団本部で働いていた大人たちは解雇した。
でも安心してください。希望する人は株式会社マドーグ王都店に就職を斡旋してあげたから。
子供だらけの教団本部。俺がいない時に変態や強盗団とか来るとエリルや子供たちが心配だから、ハリヤマ様を魔法が使えるようにした。
神殿内には監視カメラも死角がないように設置した。
ハリヤマ様が攻撃魔法を使って神殿が壊れたら大変だから、ハリヤマ様には悪い奴らを奴隷にする魔法を使ってもらう。
ハリヤマ様には国王クラスの魔法使いが10人でも拘束して奴隷にできる能力を付与してある。
まあ、俺が国王クラスの魔法使いを20人でも拘束できるから、それくらいの能力を簡単に付与できるのだ。
国王の能力を魔法鑑定したから間違いない。
俺の能力を魔法鑑定したら、国王の20倍はあったのだ。
これも宇宙空間の魔素を吸いまくっているからなのか。
だから俺は教団本部をエリル神官長と孤児たちに任せて留守にできる。
ハリヤマ様はオスとメスの2体いるから、国王クラスの奴が20人襲ってきても大丈夫。
ジゴク大陸最強クラスと言われる国王みたいな人が20人以上で教団本部を襲ってくるとは考えられないし。
さて、俺は公爵に主従契約を解除してもらい、男爵の地位を失った。
新しく身分証明できる物を作らねば。
ハリヤマ教団の神官たちは、見るからに「私は神官ですよ」みたいな服を着ていたけど、そんなのは俺の趣味じゃない。
有名私立高校の制服を参考に、格好いい可愛い制服を作った。
ジャケットの胸にはハリヤマ教団のマーク。
そして、ネクタイを着用する。ネクタイの色と柄とかで教団内での地位が分かるようにした。
俺は教団トップの総帥だから、ネクタイの色は紫色。
紫色って、高貴なイメージだもんね。
神官長のエリルはネクタイの色をピンクにした。桜色だ。
可愛いエリルに桜色のネクタイはよく似合う。
ついでに名刺も作った。
俺の魔導戦闘機は機内でエリルと暮らせるようにしているプライベートジェットだ。
仕事とプライベートは分けないとな。だから俺は仕事用の魔導飛行機を作った。
操縦するのも面倒なので、完全自動運転システムにして移動中に俺は他の仕事ができる。
公爵領にあるハリヤマ教団支部に魔導飛行機を乗り付けた。
魔導飛行機から降りると、教団幹部たちらしい大人の魔法使いたちが俺を襲ってきやがった。
「殺せ!」とか「何がハリヤマ様の使徒だ!」とか叫んでる。
俺が子供1人だと思って、ハリヤマ様もいないと思ってナメてるのか?
広範囲魔法を使い、まとめて奴隷にしてやった。
大人しく俺の話を聞いたら奴隷にならずにすんだのに。
短気は損気だな、まったく。
教団の神殿には孤児院も併設されているから、俺は孤児院に行って孤児たちを面接して教団支部の運営を任せれる子供たちを選んだ。
しかし、支部にはハリヤマ様はいない。
そう何体もハリヤマ様を作るわけにも。
そうだ、警備ロボットを作ろう。
国王クラスの強さを誇る魔導ロボットを10体作った。
魔導ロボットは魔法を使えないが、魔法無効化システムを標準装備している。
国王クラスの人に殴られても蹴られても壊れない。
そんな魔導ロボットを王国内の教団支部に配置したのだった。
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