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 仁は、まだ女を知らなかった。手を繋いだこともキスしたこともなかった。仁は、それをそのまま話した。 陽子は、仁が童貞だと分かると表情が変わった。  陽子は、熱っぽく仁を見た。そして、冗談めかして笑いながら、男にしてあげようか? なんて言った。軽い言葉を使ったけど、陽子の眼差しは熱かった。  仁は、それを聞いてとても興奮した。しかし、自分の気持ちを隠した。平静を装った。でも陽子に抱かれて男にしてもらえるなら、全然、文句はなかった。  仁は、陽子のことを多くの男たちと付き合ってきた汚れた女だとは考えなかった。お風呂場から湯が沸いたことを知らせるメロディーが聞こえた。
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