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その陽子の言葉には、仁の始めての女になったけど、私で良かったのかな? そんな意味が含まれていた。
仁は、そんな陽子の心配を払うように、もう一度、ありがとうございます! と言ってドアを閉めた。
外は、曇っていた。気温は、5ºCぐらい。風は、無かった。仁は、バスで帰ろうと思った。いつもだったら、とっくに家に帰っている時間だ。
仁は、ポケットからスマホを取り出した。家に居る母に、これから帰ると連絡した。仁は、男になった。童貞じゃなくなった。凄く嬉しかった。相手が陽子だったのも良かった。これがソープランドの女だったら、ちょっと悲しい。
仁は、未来は、暗く残酷で理不尽だと考えている。でも思いがけない喜びや感動が隠れている。未来は、怖いけど、生きていると悪いことばかりじゃない。
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