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陽子は、アパートから仁が出て行ってから、セックスしたことが良かったのか悪かったのか、混沌とした気持ちだった。
陽子は、仁の昼食の食器を洗い、かごに入れた。もう少し経ったら演劇の会合に行く。その準備をした。
演劇の会合は、文化ホールで行われる。バスで10分位で行ける。車があればいいけれど、お金がかかるから持っていない。
陽子は、役者兼演出家である。たまにお金を集める役目もあった。
劇団は、常にお金がなくて困っていた。どうしてもお金が必要な時に、陽子は、劇団のために売春した。陽子の体目当てにお金を出す男たちは、たくさんいる。
陽子は、それをいけないことと知っている。けれど、演劇のため、観客のためと考えてセックスした。何かの拍子に売春したことを思い出すと気持ちが落ち込んだ。
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